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今週のまとめ3月25日から3月29日の週

為替 

 25日からの週は、ドル買いが優勢だった。今後の景気後退を示唆するように米長短債券利回りの逆転現象が発生している。米長期債利回り低下とともに、英欧など主要国の債券利回りも低下。英国にとっては混迷するEU離脱をめぐる動きがポンド売りにつながった。欧州では前週のPMIに続いて弱い経済指標結果が相次ぎ、ドラギ総裁は利上げ時期見通しの先延ばしを示唆した。オセアニアでは、豪中銀に続いてNZ中銀もハト派姿勢に転換、NZドル相場を圧迫した。米債利回りの低下が続くなかで、ドル相場は相対的に買われる展開となった。ドル円は110円台後半、ユーロドル1.12台、ポンドドル1.30近辺、NZドル/ドル0.67台へとドル高推移。29日に行われた英下院のEU離脱協定採決は3度目の否決となり、ポンド売りに。もっとも引けにかけて値を戻すなど、行き過ぎた動きには警戒感が出ていた。ドル円が110円台後半でのしっかりした動きを続けるなど、市場のリスク警戒感は落ち着いていた。

(25日)
 東京市場は、ドル円が下落。先週末の安値を下回り、109.71近辺に安値を広げた。2月前半以来の円高水準となった。先週後半には独仏PMIの低下で欧州の景気減速懸念が強まったほか、米長短金利が逆転したことが米国の景気後退を連想されていた。米中通商協議に進展がみられないなど、リスク回避ムードが高まった経緯がある。週明けの東京株式市場では日経平均が一時700円超安、アジア株も下落。ただ、円買い一巡あとはやや下げ渋り。ユーロドルは1.13ちょうど付近と、先週末の安値圏で揉み合い。ユーロ円は123円台後半まで下落後は、124円台前半に戻した。

 ロンドン市場は、ドル円、クロス円が反発した。欧州株は売りが先行したが、その後は独DAX指数や伊MIB指数がプラスに転じた。米10年債利回りは2.47%近辺へと上昇。いずれも前週末からのリスク回避動向は一服している。この日発表されたドイツIfo景況感指数が予想を上回ったことがきっかけとなっていた。ただ、ポンド相場はメイ英首相の去就も含めて不透明感が続いており、上値は重い。ドル円は110円台を回復。ユーロ円124円台後半に上昇、ユーロドル1.13台乗せ。一方、ポンドドルは1.32台、ポンド円は145円台後半では上値を抑えられている。

 NY市場で、ドル円は110円を挟む振幅だった。米債利回りの低下傾向が続いた。米10年債利回りは一時2017年12月以来の低水準となるなかで、ドル円は109.70台まで軟化。一方、米株式市場ではダウ平均が前日終値を挟んで上下200ドル超の振幅。方向感に欠けた。ドル円は110円台を回復し、ドル売りも続かず。前週末からの世界的なリスク警戒感は続いたが、新規材料には欠ける面があった。英EU離脱関連の情報は依然としてごたごたしている。メイ首相の辞任観測、26日にも三度目の採決などの報道があったが、結局は決まったことはなかった。次の展開待ちに。

(26日)
 東京市場は、小動き。ドル円は110円台前半で、値幅は30銭程度と限定的。日経平均は400円超反発した。世界的な景気減速懸念を背景としたリスク回避の円買いは一巡したが、ドル円の戻りは鈍い。中国やユーロ圏の景気減速で米国の見通しもやや不透明となっており、ローゼングレン米ボストン連銀総裁は、今年1-3月期の米経済はかなり弱い可能性が高いとの認識を示した。ただ、4-6月期以降は持ち直すと予想した。月末・四半期末・年度末であることも円相場の動意を抑制。ユーロドルは1.13台前半と先週末の安値圏での揉み合い。ユーロ円は124円台半ばから後半での推移。

 ロンドン市場は、円売りが優勢。欧州株が持ち直し、NY原油先物も59ドル台半ばへと上昇。米10年債利回りは2.44%台に上昇。全般にリスク警戒感が後退。欧州と中国の首脳会談が行われており、中国は大量のエアバス購入を約束した。欧州株式市場の上昇には、エアバス株の上昇も寄与したもよう。EU離脱をめぐる動きは引き続き混とんとしており、何も決まってはいない。ただ、保守党の離脱強硬派のなかには、まったく離脱しないよりはメイ首相案の方がましだとのムードが醸成されつつあるとの報道があった。ドル円は前日高値を上回ると、110.43レベルに高値を更新。ユーロ円や豪ドル円なども買われた。ポンド円は売買が交錯する神経質な値動きだが、次第に買い優勢に。

 NY市場では、ドル高・円安の動き。ドル円は高値を110.69近辺まで伸ばした。米債利回りが昨日午後の水準から少し持ち直したこと、米株高の動きが広がり、リスク選好からのドル買い円売りが出たことなどがサポート材料。下値は110.40台まで。ユーロではユーロ安・ドル高の動き。1.1260台までユーロドルは下落。27日に議員主導での協定案の検討のために、法的拘束力のないEU離脱協定に関する採決実施を決定した英ポンドは1.32台前半での推移。1.31台後半から1.32台半ばまで買われる動きをみせた。28日にメイ政権離脱案の採決が行われるもよう。一部の離脱強硬派議員が賛成に転じる見通しなどと報じられていた。

(27日)
 東京市場では、NZドルが急落。NZ中銀は政策金利を過去最低水準で据え置きつつ、次の動きは利下げの可能性が高いと表明した。世界経済の不透明感や国内消費の伸びがやや減速していることが利下げ示唆の背景。NZドル/ドルは0.67台後半、、NZドル円は75円台前半まで下落。これに連れて豪ド/ドルは0.71ちょうど付近、豪ドル円は78円台半ばまで下げた。オセアニア通貨の下げを背景に円高やドル高となり、ユーロドルは1.12台半ば、ポンドドルは1.31台後半、ユーロ円は124円台前半、ポンド円は145円台半ばまで軟化した。ドル円は110円半ばから後半で小動き。

 ロンドン市場は、ドル円が110円台前半へと反落。序盤は小高く推移した欧州株が次第に売りに押されて、下落に転換。NY原油先物も反落。リスク回避の動きが再燃するなかで、米10年債利回りは一時2.35%近辺まで低下、2017年12月以来の低水準に。米短期債利回りとの逆転現象が再燃している。独10年債入札は平均利回りが-0.05%と、2016年以降初のマイナス金利となった。ドル円とともにクロス円も上値が重い。ユーロ円は124円台後半から前半へ、ポンド円は146円乗せのあと145円台後半へと反落。豪ドル円やNZドル円も軟調。対ドルでは序盤にドル高水準を広げたものの、その後はドル安方向へ転換。ユーロドルは1.12台後半へ、ポンドドルは1.32台乗せ。

 NY市場で、ドル円は110円台半ばでの推移。ロンドン序盤に110.24レベルまで下押しされたが、NY朝方には110.50台まで反発。その後はダウ平均の下落、米債利回りの低下などで下値を試すも、安値は更新せずに下げ渋った。ユーロドルは1.1250割れへと下押しも、ロンドン序盤の上昇を消す程度の動き。ポンドは神経質な展開。メイ英首相は政府のEU離脱協定が合意に達した場合は、辞任することを発表。合意に向けた流れが強まるとの期待もあり、ポンドドルは1.3180台から1.3260台まで上昇。離脱強硬派から合意なき離脱や残留などに比べるとという消極的な姿勢ながらメイ首相案への同意が見えたことなどもポンド買いに。しかし、北アイルランド地域政党DUPがメイ首相発言後に改めて首相案への賛成を拒否する姿勢を示し、ポンド売りに。英議会での代替案・プランBへの投票はいずれも反対多数となり、混迷は深まった。

(28日)
 東京市場は、リスク回避の円高の動き。世界的な景気減速の長期化が懸念されるなか、米長期債利回りが2.338%と2017年12月以来の低水準をつけ、安全資産に逃避する動きが鮮明となったことが円買いを誘った。日経平均は一時400円超安となった。世界的な景気減速の中で、日本政府が消費増税を実施する見通しであることが嫌気された。アジア株も軟調。ドル円は110.10台へと下落。ユーロ円は123円台後半、ポンド円は145円台前半、豪ドル円は77円台後半、NZドル円は74円台後半まで円高進行。ただ、円買いは東京午前で一巡した。

 ロンドン市場は、リスク回避一服も、ポンドは重い。昨日の英議会では8つの代替案・プランBの投票が行われたが、いずれも反対多数だった。メイ英首相は辞任を示唆することで自身の英EU離脱案に賛成するように保守党議員に訴えかけている。混迷の度を深める状況にポンドの上値は重い。ポンドドルは一時1.31台割れ。ユーロ相場も売りが先行、ドル円は一時110円割れ寸前まで下落。しかし、欧州株が堅調に推移しており、ドル円は110.40台まで反発、ユーロ円やポンド円も序盤の弱い動きを解消して上昇。ユーロ圏の一連の景況関連指標は弱く、ドイツ各州ごとの消費者物価指数も前回から伸び悩む結果が相次いだが、欧州株をにらんでリスク回避圧力は一服している。

 NY市場は、ドル円がしっかり。米債利回り低下が一服、ロンドン市場からのドル買いの動きが継続。ドル円は110.80近辺まで買われた。米株式市場は比較的落ち着いており、リスク警戒の動きは後退した。ダウ平均は30銘柄中26銘柄が上昇と堅調、ドル円とともにクロス円も下支えされた。ユーロ円は124円台前半でしっかり。ユーロドルはやや軟調。3月ドイツ消費者物価指数が弱く、ECBの緩和姿勢が強まるとの思惑につながった。ポンドドルは1.30台半ば割れまでじり安。メイ首相が29日にEU離脱協定の採決(政治宣言除く)を実施することは発表。下院議長も受け入れた採決の実施が決まった。もっとも合意に必要な過半数確保は微妙。

(29日)
 東京市場は、ドル円が上下動。当初は年度末絡みのフローで円安・ドル高となったが午後には上昇をほぼ帳消しにする場面があった。レンジは110.54から110.93まで。ユーロ円は124円台半ば、ポンド円は144円台後半、豪ドル円は78円台後半へと上昇も、その後は伸び悩んでいる。一連の日本の経済指標は材料視されなかった。2月失業率は2.3%に低下も、同小売売上高は+0.2%と予想を下振れした。豪ドル/ドルは0.70台後半まで小幅に水準を切り上げた。豪ドル買い・NZドル売りが背景。今週NZ中銀が利下げを示唆したことが豪ドル安・NZドル高の巻き戻しにつながっている。

ロンドン市場は、英議会での採決を控えてポンドが激しく上下動。序盤はドル買いが先行した。ロンドン勢がポンド売りで参入すると、ユーロドルも下落。いったん小緩んだドル円相場も持ち直した。ただ、ドル買いはここまで。ポンドには逆に買いが強まっており、序盤の下落を消す動きに。一部の労働党議員が政府案への賛成に回るとの観測が流れた。ポンドドルは1.30台割れを試したあとは1.31台前半へと急反発。ポンド円も144円割れを回避すると145円台に乗せる動き。そのなかで、ドル円は110円台後半、ユーロドルは1.12台前半、ユーロ円は124円台前半での取引にとどまっている。この日発表された英GDP確報値は前年比+1.4%とやや上方改定されたが、経常赤字は予想以上に拡大した。ドイツ失業率は4.9%と東西ドイツ統合以降の最低水準を記録した。

NY市場でドル円はしっかり。米債利回りが一時2.43%台まで上昇し、ドルを支える展開となった。ドル円は110円95銭を付ける場面が見られた。もっとも111円手前の売りを崩すだけの勢いは見られず、米債利回りの上昇が一服すると、110円台後半でのもみ合いとなった。ユーロドルは1.12台前半での推移。ドル高基調もあって頭の重い展開。ポンド売りの動きなどもユーロの重石となり、一時1.1210近辺まで。もっとも、ドル円同様に大台を超えて動きが進むだけの勢いに欠けていた。ポンドは、注目された英下院でのEU離脱案に対する採決が日本時間23時半に行われ、3度目の否決となったことで売りが出る展開となった。ロンドン市場で採決への悲観論から1.30ちょうど手前まで下落したあと、離脱強硬派などが政府案に賛同に回るとの思惑で1.3130台まで上昇するなど、不安定な動きを見せた後の下院採決。投票時からややポンド売りが進み、否決決定で1.2978近辺まで売りが出る流れとなった。もっとも、その後は買い戻しが入り1.30台を回復。採決前よりはポンド安の水準でもみ合いが続いた。

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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