とれんど捕物帳 神経質な展開もリスク選好の雰囲気は温存 ポンドの上値追いには注意も  

 今週の市場は静かで神経質な雰囲気であっただろう。ただし、ポンドを除けば。これほど英議会の審議に市場の目が釘付けになったことも珍しかったのではないだろうか。今月29日の離脱期限を目前に英下院ではEU離脱を巡る投票が行われた。現地時間夕方7時、日本時間早朝4時の投票だったが、英議会独特の雰囲気の中、バーコウ英下院議長の「Orderー!、Order~!」(静粛に)の掛け声をBBCの生中継でご覧になっていた方もいるかもしれない。

 結局、12日火曜日にはメイ首相がEUと結んだ2度目の合意案は否決され、13日水曜日には「合意なき離脱」も否決された。そして、14日木曜日には「EUへの離脱延期要請」が可決されている。

 ただし、「EUへの離脱延期要請」はメイ首相の離脱案を20日までに承認し、6月30日までの延期を経てEUを離脱するか、EUが設定する条件で離脱するかの選択を迫る内容。メイ首相も3度目の正直で来週の議会に臨む。再度議会がメイ首相の案を否決した場合には、主導権を議会に渡す機会を与えるとした。与党内の離脱強硬派に脅しをかける戦術に出ている。いずれいしろ、来週も目を離せない状況にはある。

 「合意なき離脱」という最悪のシナリオはひとまず回避されたことでポンドも買いが強まっていたが、肝心のEUがどう出るか未知数なところもあり、来週もし、議会がメイ首相の案を否決した場合には総選挙や2度目の国民投票などのシナリオも浮上してくる。依然として、離脱を巡る動きは流動的である。ただ、いずれのシナリオもポンドにはポジティブとして、ポンド買いを推奨する声もあるようだ。

 今年に入ってポンドは買戻しが続いているが、EU離脱後の英経済の行方を鑑みると、上値には慎重になりたいところもある。政治イベントに焦点が集中し、あまり材料視されなかったようだが、今週、ハモンド英財務相は春季財政報告で景気の先行き不透明感を示すと伴に、英予算責任局(OBR)は2019年の英成長見通しを従来の1.6%から1.2%に下方修正した。英経済にもユーロ圏と同様の現象が起こりつつあることは留意しておきたい。

 ただ、ポンドは別にして、相場全体はまだ、期待感を温存させているように思われる。ボーイング問題や米中首脳会談の4月以降への延期、そして、北朝鮮が非核化協議の停止検討などの悪材料が流れていたが、市場の反応は一時的に留まっており、米株式市場も底堅さを見せている。先週は調整モードが強まり、その流れを踏襲した反応を見せても良さそうな流れだが、その動きは出ていない。地合いを見るには悪材料が出た時の反応を見るのが重要だが、今週の動きを見た限りでは、地合いは強そうだ。

 更に今週発表になった米小売売上高や米消費者物価指数(CPI)を見ると、インフレが抑制される中、底堅い米個人消費が続いていることが示されている。

 リスク選好の雰囲気は続いているものと思われ、ドル円も、もう一段の上値を試すきっかけを待っているようにも思われる。

 さて来週だが、英議会は引き続き注目だが、20日にFOMCが予定されている。もしかすると英議会の投票と重なるかもしれない。バランスシート縮小終了を打ち出してくるものと思われる。現在は月間最大500億ドルペースでバランスシートを縮小しているが、それをある時点で止めるのか、縮小ペースを徐々に緩めて終了するテーパリング方式なのか、それとも別の方法なのか注目される。恐らく縮小ペースのほうである可能性が高いと見られるが、市場の一部からは、市中銀行の準備預金を考慮しながら、ある時点で止めるとの見方も出ている模様。いずれにしろ注目したいところではある。

 そして、今回はFOMCメンバーの金利見通し(ドット・プロット)も発表される。このところのFOMCメンバーの発言からは、年内据え置きか、1回の利上げかで見解が分かれているようだ。市場では利下げの見通しも出ているようだが、現段階ではその選択肢が予想の中央値に来ることはないであろう。

 ゼロか1回かだが、現状の平均賃金のデータやインフレ指標から、利上げの選択肢を敢えて外す状況でもない。1回が有力とも思われるが、FRBは慎重姿勢に転換していることもあり、ドル円の反応も含めて何とも言えないところではある。

 来週のドル円だが、FOMC後の反応次第といったところもあるが、底堅い展開を期待したい。予想レンジとしては、111.00~112.50円を想定。スタンスは「やや強気」を継続。

()は前週
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中期 上げトレンド継続
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中期 下げトレンド継続
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◆ポンドドル(GBP/USD)
中期 上げトレンド継続
短期 ↑(↑↑)
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しばらくお休みします。次回の配信は4月6日(土)の午前を予定しています。ご了承ください。
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minkabu PRESS編集部 野沢卓美

出所: minkabuPRESS

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