今週のまとめ3月11日から3月15日の週

 11日からの週は、ポンド買い主導の展開。ポンドドルやポンド円の上昇とともに、ドル円や各通貨のクロス円も前週の下げを消す動きとなった。ポンドに関しては3日間にわたってEU離脱関連の議会採決が実施された。メイ英首相の離脱案が大差で否決されたあと、合意なき離脱を回避する動議が可決、続いて離脱延長を認める動議が可決された。まだ、英議会での合意形成やEU側の対応など難問が山積しているものの、合意なき離脱との最悪の事態は回避されたことで、ポンドが買われた。米中貿易協議は知的財産権についての協議が難航しており、4月まで首脳会談はないとの報道があった。北朝鮮が米国との非核化協議停止を検討との報道にあった。一連の中国経済指標は冴えない結果だった。一方で、全人代で景気浮揚のために減税を実施する方針が発表され、中国株は持ち直した。米欧の経済指標では、それほど強い内容はみられず。日銀決定会合は現状維持と期待はずれ。ただ、ポンド買いの影響が強く、市場はリスク選好の動きを示す週だった。他市場では、原油先物の上昇がリスク動向を下支えした面も。



(11日)
 東京市場で、ドル円は110円台での買い意欲を確認した。週末のボーイング最新鋭機の墜落事故を受けて、週明けの時間外取引で同社株が急落。米株先物も連れ安となり、ドル円はリスク警戒感から110.80台まで下押しされた。しかし、すぐに値を戻すとその後は111円台前半での揉み合いに。日本株や中国株は堅調に推移。先週末から頭の重いポンドは、対ドルで1.29台での推移。早朝に1.2950トライも、少し値を戻し、東京市場は1.29台後半での推移が続いた。

 ロンドン市場は、円売りが優勢になっている。日本株や中国株が上昇した流れを受けて欧州株が堅調に取引を開始、為替市場ではドル円やクロス円が本日高値を広げる動きが先行した。ただ、時間外取引のダウ平均先物がボーイング株の急落で下落、リスク選好の動きを抑制した。ドル円は序盤に111.31レベルまで買われたあとは、111円台前半での揉み合い。ユーロ円は125.20レベルまで上昇後は、125円近辺での揉み合いに。ユーロドルは一時1.1258レベルまで買われたが、その後は1.12台前半に落ち着いている。ポンド相場はあすの英議会採決を控えて神経質な動きとなっているが、ポンドドル1.30挟み、ポンド円は144円台での上下動と方向性に欠けている。この日発表された1月の独鉱工業生産は予想を下回っており、景気減速を示す内容となったが、発表時のユーロ相場は反応薄だった。

 NY市場では、株高のなかでドル円は111円台前半での推移。米株式市場はボーイングが下落したものの全体的には堅調だった。また、1月の米小売売上高は予想を上回る良好な結果だった。ポンド買いが目立った。ポンドドルは1.31台半ばまで上昇し、ポンド円は146円台に上昇。NY時間の午後になってメイ首相がユンケル欧州委員長と会談するため、フランスのストラスブールへ向かうと報じらた。離脱交渉に進展があったと報じられた。一方、ユーロも買い戻しが見られているものの上値は重い。対ポンドでの売りも圧迫した。ユーロドルは一時1.12台半ばに上昇も、1.12台前半に軟化。ユーロ円も125円台前半から124円台に伸び悩む場面があった。

(12日)
 東京市場で、ドル円は堅調。日経平均の上げ幅が一時400円を超えた。アジア株も軒並み上昇。リスク選好の動きでドル円は111.40台まで買われた。ただ、111.50近辺でも上値を抑えられた。朝方はポンドの買いが目立った。本日予定されている英議会でのEU離脱協定の採決を前に、メイ首相とユンケル欧州委員長がバックストップ機能を含む修正案で合意。可決の可能性が高まったとしてポンドが急騰する展開を見せた。その後は、実際の結果が不透明なだけに調整が入る格好に。昨日の海外市場で1.30ちょうど挟みから1.31台に上昇して迎えたポンドドルは、朝一の動きで1.3280台まで上昇も、1.3200近くまで値を落とした。

 ロンドン市場は、ポンドが急落する場面があった。東京市場では期待感から買われたポンド相場だったが、ロンドン時間にコックス英法務長官が法的リスク残る点に変わりはないと発言、バックストップを終了させるための国際法上の合意性はないことが示されると、ポンドが急落した。ポンドドルは1.31台から1.30ちょうど近辺まで下落。英議会はこの後東京時間の午前4時頃に採決を行う予定。ユーロドルは1.1280台まで買われたあとは、ポンドの下げにつれて1.1250近辺へ小幅下落。一方、ユーロポンドは0.85ちょうど付近から0.8650近辺に上昇。ドル円は株高を受けて111.46レベルに高値を更新も、その後は111.10台まで反落。

 NY市場は、英議会でのEU離脱修正案採決が焦点だった。英下院はメイ首相の合意案を大差で否決した。今度は明日13日に「合意なき離脱」の投票を実施する予定。ポンドドルはロンドン時間に1.30ちょうど近辺まで下落したが、NY時間には買戻しが優勢となり1.31台を一時回復。英議会での否決の後は一時買われたが、すぐに押し戻されている。ユーロドルは買い戻しが優勢で、1.13台を一時回復した。対ポンドでの買いもサポートした。ドル円は111円台前半でのレンジ取引が続いた。この日発表された2月の米消費者物価指数はコア前年比が+2.1%と予想を下回ったが、目立った反応はみられず。FRBの辛抱強くといった利上げに慎重なアプローチに変化は特段の影響を与えない結果だったとみられていた。

(13日)
 東京市場では、やや円買いの動き。ドル円は111.14近辺、ユーロ円125円台半ば、ポンド円145円台前半へと弱含んだ。オセアニア通貨は対円、対ドルともに軟調。引き続き豪中銀の年内利下げ観測が付きまとっているようだ。豪ドル円は78円台前半へと軟化。昨日は英EU離脱関連の英議会採決を背景に、ポンド相場が大荒れとなっており、ドル相場、円相場ともにカヤの外に置かれている。

 ロンドン市場は、ポンド相場が堅調。前日は英法務長官の発言でポンドが急落、その後のメイ政権の離脱修正案の採決は大差で否決され、ポンドは上下動の末上値が抑えられた経緯がある。きょうはその時の下げを戻す動き。英政府が合意なき離脱の場合の暫定的な関税制度を発表しており、対象品目が限定的だったことや、アイルランド国境では適用しないとしたことが好感されたもよう。その他主要通貨はやや円安・ドル安方向への動き。欧州株や米株先物の底堅い推移が背景。ポンドドル1.31台後半、ポンド円146円台後半へと上昇。ドル円は111.40台へ、ユーロ円は126円手前へ、ユーロドルは1.13台乗せへ。

 NY市場では、英議会採決を受けてポンドが急伸。英下院で合意なき離脱を回避する動議が可決された。ポンドは事前に買われていたが、一段高となり、対ドルは1.33台後半、対円は148円台後半まで急伸した。あすは離脱延期についての採決が予定されており、可決するとの期待も広がった。ポンドとともにユーロも買い戻しが強まり、ユーロドルは1.1340近辺、ユーロ円は126円手前まで上昇。ドル円は111円台前半での上下動。2月の米生産者物価指数は伸びがやや鈍った。ボーイング関連の報道で米株が下落する場面があったが、取引終了にかけては値を戻していた。

(14日)
 東京市場は、ドル買いが優勢。ドル円は111円台半ばを超えて111.63レベルまで上昇。前日の米株の上昇を受けて、日本株、アジア株が堅調にスタートし、リスク選好の円安の動きが広がった。その後、中国経済指標、小売売上高、鉱工業生産、都市部の失業率などが悪化したことで中国株が下落、日経平均も上げをほぼ消された。しかし、ドル円は高値圏での揉み合い。ポンドドルが1.33台前半から1.32台前半へと下落し、ドル高圧力となった面も。

 ロンドン市場は、ポンド買いが一服。離脱延長に関する英議会採決を控えて調整が入る格好。メイ首相は価値があるのならば、三度目のEU離脱案の採決も、と述べた。ポンドは序盤に買われたがその後は反落。ロンドン序盤はドル円、クロス円ともに買いが先行。しかし、欧州株や原油先物が伸び悩み、上昇一服。ユーロにとっては独IFOが成長率見通しを引き下げたことも重石。また、米中首脳会談は少なくとも4月まで延長との関係者発言が伝わったことが警戒感を誘った。ポンドドルは1.33台が重く、ポンド円は148円を挟む上下動。ユーロドルは1.13台前半、ドル円は111円台後半。

 NY市場は、ドル買いが優勢。ドル円は111.80円近辺まで上昇する場面も見られた。NY時間に入る前に米中首脳会談が4月以降に延期されるとの報道が伝わっていた。この日発表の米住宅指標も弱い内容だったが、市場はさほどネガティブな反応を見せず、米株や米国債も落ち着いた反応を示している。また、きょうはポンドが利益確定売りに押されていることもドルをサポートした。NY時間の午後になって英議会はEU離脱期限の延期を可決した。ただ、ポンドの反応は逆に売りが優勢となった。ポンドドルは1.32近辺、ポンド円は147円台に下落。ユーロドルは1.13割れとポンドに連れ安に。

(15日)
 東京市場では、一時円高の動きがみられた。日銀金融政策決定会合は現状維持を決定。海外勢を中心に一部でETFの買い入れ増額が期待されていたということもあり、発表後はやや円高に。さらに、北朝鮮が米国との非核化協議停止を検討との報道が入り、こちらも円買いを誘う形で、ドル円は一時111.49レベルまで下落。もっともすぐに値を戻し111.70前後に落ち着いた。中国の全人代が終了し、李首相が4月からの付加価値税引き下げに言及。景気浮揚効果が期待され豪ドルは小高い。ポンドは揉み合い商状。

 ロンドン市場は、手掛かり難で方向感に欠ける値動き。序盤には欧州株の上昇とともに円安の動きがみられたが、その後は上値も抑えらえてレンジ模様となっている。ポンド相場は引き続き値幅が大きめだが、序盤に売り、その後買戻しと方向性は見出しにくい。前日まで一連の英議会採決を通過して、市場は次の手がかり待ちになっているもよう。ポンドドルは1.32台で、ポンド円は147円台前半から148円台前半での上下動。ユーロ相場は対ポンドでのフローに振り回されているが、ユーロドル1.13台前半、ユーロ円126円台前半でやや買い優勢。黒田日銀総裁会見は新味なく、ドル円は111円台後半で小動き。

 NY市場はドル売りが優勢となった。この日に発表された鉱工業生産やNY連銀指数が予想外に弱かったことは、強い米経済指標を欲している市場にとっては失望感が大きかったようだ。ドル円は戻り売りが強まり111.40近辺まで下落する場面が見られた。

出所: minkabuPRESS

為替ニュース/コラム

一覧を見る

主要通貨レート

直近24時間の重要経済指標

Pick Up 雇用統計 FOMC