【ロンドン市場】ポンドが堅調、きょうは合意なき離脱の是非を採決
13日のロンドン市場は、ポンド相場が堅調に推移している。前日は英法務長官の発言でポンドが急落、その後のメイ政権の離脱修正案の採決は大差で否決され、ポンドは上下動の末上値が抑えられた経緯がある。きょうはその時の下げを戻す方向に動いている。英政府が合意なき離脱の場合の暫定的な関税制度を発表しており、対象品目が限定的だったことや、アイルランド国境では適用しないとしたことが好感されたもよう。このあとは合意なき離脱の是非を問う採決が英議会で行われる。その他主要通貨は小動きとなっているが、欧州株や米株先物が底堅く推移しており、やや円安・ドル安方向に動いている。ポンドドル1.31台後半、ポンド円146円台後半へと上昇する動きに、ドル円は111.40台へ、ユーロ円は126円手前へ、ユーロドルは1.13台乗せへと水準を上げてきている。
ドル円は111円台前半での取引。東京市場での下に往って来いの動きを受けて111.30台で値動きが落ち着いた。欧州株は小安く取引を開始したが、次第に下げ渋り米株先物とともにプラスに転じている。また、この日はポンドの買戻しが優勢になっており、ポンド円も上昇。取引中盤にはドル円も高値を111.43レベルまで更新している。
ユーロドルは1.13ちょうど近辺での取引。東京市場では1.1280-90レベルでの膠着相場が続いた。ロンドン朝方に一時1.1277レベルまで小幅に下押し。すぐに戻してじり高に。取引中盤には高値を1.1305レベルに広げ、前日NY時間の高値に並んだ。ユーロ円は125円台半ばからじり高となり、取引中盤には125.95レベルまで上昇と126円台をうかがう動きになっている。ただ、対ポンドではユーロ売り圧力が優勢。この日発表された1月のユーロ圏鉱工業生産は前月比+1.4%、前年比-1.1%といずれも事前予想を上回った。ただ、指標発表に対する独自の反応はほとんどみられなかった。
ポンドドルは1.31台半ばでの取引。前日の激しい値動きにあと、1.30台後半でロンドン市場を迎えた。この日は買いが先行し、すぐに1.31台を回復。その後も買われ続けて高値を1.3174レベルまで伸ばした。ポンド円は145円台後半から146円台に乗せると、高値を146.74レベルに広げている。英政府が合意なき離脱の場合の暫定的な関税制度を発表しており、対象品目が限定的だったことや、アイルランド国境では適用しないとしたことが好感されたもよう。このあとは合意なき離脱の是非を問う採決が英議会で行われる。バルニエEU首席交渉官は、英議会での採決が事態を悪化させている、と非難する声がでていた。モスコビシ欧州委員からは、29日までに新たな協議は行われない、ハードブレグジットのリスクが著しく増大、との発言があった。
minkabu PRESS編集部 松木秀明