ポンド乱高下、ドル円は安定
ポンド乱高下
東京早朝のEUと英政府の合意で急騰
英議会の承認難しいとの認識で下落後、
英国の法的リスク残ること変わらずとの法務長官発言でさらに落とす
ドル円は安定した推移、米CPIは若干弱めも想定内
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《3/12 火曜日》
ドル円 ユーロドル ユーロ円
始値 111.21 1.1245 125.05
高値 111.47 1.1305 125.83
安値 111.11 1.1245 125.02
終値 111.36 1.1288 125.70
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《3/12 火曜日の主要株式指数》
日経 21503.69 +378.60
DOW 25554.66 -96.22
S&P 2791.52 +8.22
Nasdaq 7591.03 +32.97
FTSE 7151.15 +20.53
DAX 11524.17 -19.31
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《3/12 火曜日の商品市場》
NY原油先物4月限(WTI)(終値)
1バレル=56.87(+0.08 +0.14%)
NY金先物4月限(COMEX)(終値)
1オンス=1298.10(+7.00 +0.54%)
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《3/12 火曜日に発表された主な経済指標》
【シンガポール】
小売売上高(1月)14:00
結果 0.2%
予想 N/A 前回 -3.4%(前月比)
結果 7.6%
予想 2.6% 前回 -6.0%(前年比)
【英国】
鉱工業生産指数(1月)18:30
結果 0.6%
予想 0.2% 前回 -0.5%(前月比)
結果 -0.9%
予想 -1.3% 前回 -0.9%(前年比)
製造業生産高(1月)18:30
結果 0.8%
予想 0.2% 前回 -0.7%(前月比)
結果 -1.1%
予想 -1.9% 前回 -2.1%(前年比)
商品貿易収支(1月)18:30
結果 -130.84億ポンド
予想 -122.00億ポンド 前回 -126.86億ポンド(-121.02億ポンドから修正)
【インド】
鉱工業生産指数(1月)21:00
結果 1.7%
予想 2.1% 前回 2.4%(前年比)
【米国】
消費者物価指数(2月)21:30
結果 0.2%
予想 0.2% 前回 0.0%(前月比)
結果 0.1%
予想 0.2% 前回 0.2%(コア・前月比)
結果 1.5%
予想 1.6% 前回 1.6%(前年比)
結果 2.1%
予想 2.2% 前回 2.2%(コア・前年比)
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《3/12 火曜日に発表された主なイベント・ニュースなど》
【日本】
*雨宮日銀副総裁
短期金利の引き下げ、長期目標の引き下げ、資産買い入れの拡大、
マネタリーベース拡大ペースの加速など様々な手段がある。
金融仲介機能や市場機能への影響をバランスよく考慮する必要がある。
今後も、政策のベネフィットとコストを比較考量しながら、
単独もしくは組み合わせ、応用も含め、その時の状況に応じて適切な方法を検討。
【米国】
*パウエルFRB議長
全般的な米国の活況の陰に多くの個人や家計が低所得での苦境に見舞われている。
*民主党ペロシ米下院議長
トランプ大統領の弾劾について反対。
弾劾は米国に強い不和を生じさせる。
弾劾にいたるだけの、非常に説得力があり、
党派を超えて合意できる重大な何かがない限り行うべきではない。
*サンダース米大統領報道官
米中首脳会談、具体的な日程などはまだ決待っていない。
大統領は米国にとって最善の利益になるなら取引する。
良い取引だと思わない場合は署名するに及ばない。
両国の交渉はまだ続いている。
*米10年債入札結果
最高落札利回り 2.615%(WI:2.623%)
応札倍率 2.59倍(前回2.35倍)
*ライトハイザーUSTR代表
中国とは依然として合意できていない。
通貨に関して多くを協議した。
貿易協議の目標は強制力のある合意。
中国との交渉の時間的な枠組みには言及しない。
明日、中国側と電話会談を行う予定。
中国との交渉の最終週にいることを望む。
貿易協議で成功は予想することはできない。
【英国】
*メイ首相
今回の離脱修正案合意はEUとの緊密な経済関係の維持を意味するもの。
バックストップは恒久的な措置にはなり得るものではない。
バックストップは無期限ではなく一時的なものである。
また、代替措置で置き換えることが可能なものである。
本日、バックストップに関する法的拘束力を伴う修正で合意した。
この修正案を英下院が審議する。
*ユンケル欧州委員会委員長
メイ首相と法的な拘束力がある手段での合意に達した。
この合意のもとに、5月23日までに英国はEUを離脱しなければいけない。
この合意案か離脱しないかの選択しかない。
EUの目標は英国の秩序ある離脱である。
この合意による離脱合意案修正の内容示す文書を公表する。
英議会に同案の支持を促す。
また、EU27カ国に同文書の承認を求める。
*英下院
英下院は391対242でメイ首相の合意案を否決。
*英当局者
メイ首相は議会は合意なき離脱を回避したがっていると確信。
首相は辞任について協議していない。
メイ首相はいかなるEU離脱延期も短期間である必要と発言。
*英議会
英下院は明日13日に合意なきEU離脱について採決を行う。
【中国】
*中国国家統計局長
中国の全体的な経済動向1,2月は良好。
雇用状況は総じて堅調。
*新華社
劉鶴中国副首相とライトハイザーUSTR代表が電話会談を行った。
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《本日予定されている主な経済指標》
【韓国】
失業率(2月)8:00
予想 4.2% 前回 4.4%
【豪州】
Westpac消費者信頼感指数(3月)8:30
予想 N/A 前回 4.3%(前月比)
【日本】
機械受注(1月)8:50
予想 -1.5% 前回 -0.1%(前月比)
予想 -2.1% 前回 0.9%(前年比)
国内企業物価(2月)8:50
予想 0.1% 前回 -0.6%(前月比)
予想 0.7% 前回 0.6%(前年比)
第3次産業活動指数(1月)13:30
予想 -0.3% 前回 -0.3%(前月比)
【ユーロ圏】
ユーロ圏鉱工業生産(1月)19:00
予想 1.0% 前回 -0.9%(前月比)
予想 -2.1% 前回 -4.2%(前年比)
【米国】
MBA住宅ローン申請指数(8日までの週)20:00
予想 N/A 前回 -2.5%(前週比)
生産者物価指数(2月)21:30
予想 0.2% 前回 -0.1%(前月比)
予想 1.9% 前回 2.0%(前年比)
予想 0.2% 前回 0.3%(食品エネルギー除くコア・前月比)
予想 2.6% 前回 2.6%(食品エネルギー除くコア・前年比)
耐久財受注・速報値(1月)21:30
予想 -0.5% 前回 1.2%(前月比)
予想 0.1% 前回 0.1%(輸送除くコア・前月比)
建設支出(1月)23:00
予想 0.5% 前回 -0.6%(前月比)
【ブラジル】
鉱工業生産(1月)21:00
予想 -1.6% 前回 -3.6%(前年比)
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【東京市場】ドル円堅調、ポンドは急騰から少し調整
ドル円は堅調な動きが続いた。日経平均の上げ幅が一時400円を超える中、リスク選好の動きに。アジア株が軒並みの上昇。リスク選好の動きにドル円は111円40銭台まで上値を伸ばす展開が見られた。
もっとも111円50銭手前の売りに頭を抑えられると、111円30銭台に調整が入ってもみ合いに。
朝方はポンドの買いが目立った。本日予定されている英議会でのEU離脱協定の採決を前に、メイ首相とユンケル欧州委員長がバックストップ機能を含む修正案で合意。今回の採決での可決の可能性が高まったとしてポンドが急騰する展開を見せた。実際の結果が不透明なだけに高値から調整が入る格好に。昨日の海外市場でメルケル独首相などから同問題に関してEUから重要な提案などの発言で1.3000ばさみから1.31台上昇して迎えたポンドドルは朝一の動きで1.3280台まで上昇も、1.3200近くまで値を落としている。
【ロンドン市場】コックス法務長官発言を受けてポンド急落
東京早朝にメイ首相とユンケル欧州委員長がバックストップ機能に関して法的拘束力のある合意との報道で、一気にポンド買いが進んで迎えたロンドン市場。議会での合意については不透明との思惑で上値からポンドの頭が押さえられる展開が続いた後、コックス英法務長官が法的リスク残る点に変わりはないと発言し、バックストップを終了させるための国際法上の合意性はないことを示したことでポンドが急落する展開に。
この判断を受けて、バックストップ問題で前回反たんに回ったDUPなどが今回の採決で賛成に回る可能性が低くなったとの思惑がポンド売りにつながっている。東京朝に1.3280台を付け、その後はいったん1.32台で推移。ロンドン市場での調整売りに1.31台に落としたところで出たこの発言に1.30ちょうど近くまで売り込まれるなど一転してポンド安が進んでいる。英議会はこの後東京時間の午前4時頃(審議の動向で大きく前後する可能性)に採決を行う予定。
ドル円は株高を受けたリスク選好に朝方111円46銭近辺と、東京午前の高値をわずかに超えるところまで買いが入ったが、ポンド円の売りもあって111円10銭台まで値を落としている。
【NY市場】メイ提案否決
英下院のEU離脱協定採決は否決。
1月に比べて差は縮まったが依然として大差。
DUPも反対に回っている。
ポンドはロンドン市場で急落後少し戻し
採決前後で振幅も、元の水準という流れ。
神経質な展開が続いた。
否決直後の材料出尽くし感が買いを誘ったが
流石に無理筋という流れに。
ドル円は落ち着いた動き。
【本日の見通し】ドル円しっかり
ドル円は111円台前半でのしっかりとした展開が期待される。
昨日のポンドが大荒れになった展開でも下値がしっかり。
米CPIが若干弱めに出たものの111円台を維持と、買い意欲が意識される展開に。
上値追いにも慎重姿勢がみられるため、基本は111円台前半でのレンジ取引か。
流れによっては上を試す可能性も。
昨日はダウが下げたが、ボーイングの影響がほとんどで除くとプラス圏。
株のしっかりした流れがドル円、クロス円の支えに。
【本日の戦略】押し目買い
ドル円は基本押し目買いの流れに。
ポンドの動向を見極めたい。
今日の合意なき離脱を認めるかどうかの採決は否決見込み。
今後の混乱含めて状況を見ながら
次の流れを探る
※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません