【NY市場】米雇用統計でNFPが予想を大きく下回り、リスク回避の雰囲気が続く ドル円は一時110円台
きょうのNY為替市場はリスク回避の雰囲気が続いており、ドル円は一時110円台に下落した。この日朝方発表になった米雇用統計は非農業部門雇用者数(NFP)が予想を大きく下回ったことでドル売りが優勢となっている。予想外の結果がよく出る指標ではあるが、さすがに18万人増の予想に対して2万人増はネガティブ・サプライズとなった模様。ただ、このところNFPよりも注目度の高い、平均時給は前年比で3.4%と予想を上回る内容ではあった。
前日のECB理事会が予想以上にハト派であったこともあって、市場には景気の先行きへの不安感が再び台頭している。しかし、現在の市場の値動きを見た限りでは、昨年終盤ほどの悲観的なムードまではなく、まだ、景気後退よりも景気減速を警戒している印象ではある。
後半になって米株が下げ渋ったこともあり、ドル円は111円台は維持した。ただ、ドル円はきょうの下げで200日線を再び下回って来ている。いまのところ21日線はサポートされているが、早期に戻せないようであれば、来週も110円を目指した調整が続く可能性も留意される。
きょうもポンド売りが続き、ポンドドルは心理的節目の1.30ドルを割り込む場面も見られた。一部報道でEUが英国に対してバックストップ案に関し2つの提案を行い、英国の返事待ちになっていると伝えていた。一方、EUの提案を英国が既に拒否しているとの報道も流れている。
来週12日に英下院でのメイ首相の合意案の採決が予定されている。もし、否決された場合はEU離脱延期の採決が行われる予定。投票日が間近に迫る中、メイ首相はEUとの合意案がまだ、まとまっていない。EU離脱延期の可能性が高い情勢ではあるが、その場合のポンドの反応は未知数なところも多い。ひとまずロングポジションを調整する動きが強まっているようだ。
一方、きのうのECB理事会を受けて売りが強まったユーロは、きょうは買い戻しの動きとなっている。ユーロドルは一時1.11ドル台に下落していたが、1.12ドル台半ばまで戻す展開。ただ、前日のECB理事会を受けて市場からは、ユーロドルは1.10ドルを目指すとの見方が増えているようだ。
minkabu PRESS編集部 野沢卓美