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今週のまとめ2月25日から3月1日の週

為替 


 25日からの週は、ドル円が動意をみせた。ドル円は2月中旬以降は110円台後半を中心とした狭いレンジ取引だったが、この週は111円にしっかりと乗せ、ようやくレンジを上抜けている。米中貿易協議への前向きの報道や米GDPなど米経済指標が強含んだことが円売り・ドル買いの両面でドル円相場を支えた。一方、インドとパキスタンの緊張が高まったことや強弱が交錯した中国指標などで、リスク動向に敏感な豪ドルは上値が重かった。豪ドル円は円売りの流れに乗れず。豪ドル/ドルはドル買い圧力に押された。これと対照的なのがポンド相場。メイ英首相がEU離脱期限の延長を認めることに方向転換。合意なき離脱の可能性が遠のいたとして、市場はポンド買いを進めた。カーニー英中銀総裁からは合意なき離脱の危険性がたびたび指摘されていた。ユーロ相場は、ポンドに連れ高。対ドル、対円での上昇はポンドほどではなかった。来週7日のECB理事会を控えて動きにくさがあったようだ。2回目の米朝首脳会談は合意できず決裂したが、リスク回避の反応は一時的だった。


(25日)
 東京市場で、ドル円は110円台後半での推移。週明けのドル円は3月1日までの米中交渉期限の延長がほぼ決まったことなどを受けてドル高・円安の動きが優勢となった。しかし、中国新華社通信が同交渉で新たな不確実性と報じたことなどが警戒され、ややリスク警戒の動きも。110円台後半での振幅に。早朝の第4四半期小売売上高が予想を大きく上回る好結果となったNZは、対ドル、対円で一時上昇。NZドル円は76.20台まで買われた。

 ロンドン市場では、オセアニア通貨が堅調。米中通商協議の期限延長が決まり、交渉の進展期待もあって、中国株が大幅高となる中、対中輸出が経済の重要な位置を占める豪州とNZへの買いにつながった。豪ドル円は79.50超えまで上昇。NZドルも買われた。ドル円は欧州株が堅調なこともあり、110円台後半で底堅い動き。前週末に格付け機関大手フィッチ・レーティングスがイタリアの格付けを据え置いたことを好感したユーロ買いもみられた。ユーロドルは1.13台前半から後半へ。

 NY市場では、ドル円が111円台を回復。トランプ大統領が「貿易協議でかなりの前進があったとし、関税引き上げを延期する」と述べたことが好感された。リスク選好ムードが広がり、ドル円は111.25近辺まで上昇。ユーロドルは序盤は伸び悩みも、後半には再び買い戻された。1.13台半ばでの上下動。ポンドはNY時間に入って戻り売りに押されていたが、コービン党首の発言で買い戻しが強まり、ポンド円は145円台半ばまで上昇。英野党労働党のコービン党首は「合意なき離脱」の可能性を排除する修正案に賛成する意向を示した。

(26日)
 東京市場では、ドル円は利益確定売りに押された。前日海外市場での流れを受けて111円台で朝方の取引を開始。しかし、中国株に売りが入ると調整の動きが広がり、110.70台まで一時下落。その後も110円台後半で推移した。クロス円も同様に、買いが先行したあと反落。ユーロ円は126円割れから125円台後半へ。ユーロドルは1.1360を挟んだ狭いレンジ取引。

 ロンドン市場は、ポンド買いの動きが目立った。東京早朝にきょうの英閣議でメイ首相がEU離脱を延期する案を検討と報じられており、ポンド買いが強まる場面があった。さらに、カーニー英中銀総裁などが議会証言で、合意なき離脱の危険性を強調したことも離脱先延ばしへの思惑を下支えしたようだ。ポンドドルは1.32台に乗せて、年初来高値を更新。対円や対ユーロでもポンド高が進行した。ユーロもポンドに連れ高となったが値幅は限定的。ドル円は110円台後半での揉み合いが続いている。欧州株などの下落や原油安で豪ドルは上値重く推移している。ただ、ポンド以外の通貨の値動きは小幅。

 NY市場は、ドル売りが強まった。ドル円はストップを巻き込んで110.45近辺まで下落。パウエルFRB議長の議会証言は無難に通過したが、米国債利回りが低下しており、ドル売り圧力に。インドがパキスタンに対し空爆を実施しており、地政学的リスクの雰囲気も。ユーロドルは終盤になって買戻しが加速、1.14台を一時回復した。クーレECB専務理事は、ECBの新たな無リスクの翌日物金利の設定に関して順調に進んでいる、と述べた。ポンド買いが強まり、ポンドドルは一時1.3290近辺まで上昇。メイ英首相は「EUとの離脱合意や合意なしの離脱が議会に支持されない場合、離脱延期を要請する是非を巡って採決を実施する」と約束した。市場では3月に合意なき離脱となるリスクが小さくなっているとみている様子。

(27日)
 東京市場は、小動き。ドル円は昨日のNY市場夕方に110円50銭を一時割り込んだものの、すぐに戻して110円50銭台で朝を迎え、そのまま小動きに。レンジはわずか11銭。昨日EU離脱期限延長期待で買いが入ったポンドは1.3250を挟む取引。ユーロドルは1.13台後半での揉み合い。その他通貨も目立った動きが見られず、膠着状態。香港ハンセン、上海総合が上昇も為替市場への影響は限定的。

 ロンドン市場は、ポンド買いが継続。序盤はパキスタンとインドの緊張が高まったことで円高の動きが優勢。欧州株は軟調にスタート。ドル円・クロス円は下押しされた。しかし、英下院でのEU離脱関連法案の審議および採決を控えて、ポンド買いが再燃。離脱期限の延長への期待が広がっている。ポンドドルは1.33台、ポンド円は147円台へと上昇する動きに円高の動きは相殺されている。ドル円は110円台前半から半ばへと下げ渋り。ユーロ円は125円半ばから126円手前まで反発。バイトマン独連銀総裁は、金利ガイダンスを変更する緊急性はない、基本シナリオは金融政策の正常化、と明言した。そのなかで、リスク動向に敏感な豪ドルは上値重く推移している。
 
 NY市場は、ドル買いが優勢。ドル円は111円付近まで上昇。米債利回りが上昇し、ドル円も追随した。地政学リスクを受けた下げには買い戻しが入った。ユーロドルは戻り売りが優勢。1.14台を付けた後は、再び1.13台後半に押し戻されている。ポンドドルへの連れ高は一服。来週のECB理事会を控えて、ユーロは上値を追いにくいとの見方も。そのなかでポンド買いが目立った。ポンドドルは1.3350近辺、ポンド円は148円近辺まで一段高。きょうの英議会採決では野党労働党案が否決された。ただ、メイ首相の合意案に強硬に反対していた議員が態度を和らげており、来月の議会で合意できるのではとの期待感を高めている。

(28日)
 東京市場は、小動き。ドル円は111円をやや割り込む水準での揉み合い。レンジは朝方18銭にとどまっている。前日の海外市場で上下を試したあとで、動きにくい状況。ユーロドルは1.13台後半でわずか13ポイントのレンジ。豪ドルは上下動。豪民間設備投資の好結果を受けて買われたが、中国製造業PMIが予想を下回り反落。豪ドル/ドルは0.7130近辺から0.7160台で上に往って来い。

 ロンドン市場は、ユーロ買いが優勢。ユーロドルは1.14台にしっかりと乗せ、ユーロ円は126円台半ばをうかがう動き。序盤はリスク回避の動きが先行。中国製造業PMIが予想を下回ったこと、インドとパキスタンの緊張の高まり、加えて米朝首脳会談が合意できず決裂したことなどが背景。ドル円やクロス円は売りが先行。しかし、欧州株が次第に下げ渋る動きとともに円買いも一服。パキスタン首相が拘束したインド空軍パイロットをあす釈放すると発表したことも安心感に。ユーロ買いについてはテクニカルな面が強そうだ。前日まで対ポンドでの売り圧力が継続したが、英議会採決を通過、一区切りついたこともあってきょうはユーロ買い・ポンド売りと巻き返しが入っている。一連のドイツ各州発表の消費者物価は前月比プラスに転じた。

 NY市場は、ドル買いの動きが広がった。ドル円は111円台半ばまで上昇、米国債利回りの上昇と伴に200日線を上回る展開。10-12月期の米GDP速報値が予想を上回ったことやシカゴPMIも強い内容だった。パウエルFRB議長は年内の利上げの選択肢を残しており、今回のGDPはそれを支援する内容だったもよう。ユーロドルは戻り売りに押され、1.1360近辺まで下落。ポンドはドル高圧力とともに利益確定売りが入った。ポンドドルは1.32台半ばへと反落。今週はEU離脱期限が延期されるとの期待でポンド買いが進んできたが、短期的には過熱感もでている。

(1日)
 東京市場で、ドル円は111円台後半に上昇。前日の米GDPが予想を上回ったあとの買いが継続している。東京市場では、今月中の米中首脳会談で合意文書に署名する方向で調整と報じられ、リスク選好ムードを広げた。さらに、中国の財新製造業PMIが予想をしっかりと上回る好結果となったことで、中国株や日本株が上げ幅を拡大。豪ドルは買われる場面が見られたが、その後値を戻すなど、その他通貨の動きは限定的。ドル円とクロス円の上昇が目立った。

 ロンドン市場は、円売りが優勢。株高でリスク選好ムード。米債利回り上昇とともにドル円は112円手前まで上昇した。クロス円も堅調。ユーロ円は127円台前半、豪ドル円は79円後半、カナダ円は85円台乗せ。ユーロドルが1.13台半ばに軟化するなど、序盤はドル買い優勢も、その後は1.13台後半へ反転上昇。そのなかで、ポンドは上値が重い。ポンドドルはユーロドルとは対照的に終始上値が重く、1.32台前半へと軟化。ドイツ失業者数は予想以上の減少、ユーロ圏失業率は7.8%に低下、ユーロ圏消費者物価速報は+1.5%と予想通り。ユーロ圏製造業PMI確報値は小幅の上方修正、英製造業PMIは事前予想通りの水準だった。

 NY市場は、米国債利回り上昇と伴にドル買いが加速しており、ドル円は一時112円台に上昇した。朝方発表になった2月のISM製造業景気指数が予想を下回り、2016年11月以来の低水準となったことから序盤はドル売りが強まる場面も見られた。今週発表になったシカゴPMIが予想外の強さを示していたことから、今回のISMも期待されていたが、その期待を裏切る格好となった。ISM発表直後はドル円も戻り売りが強まったものの、直ぐに切り返している。

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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