【ロンドン市場】ユーロ買いが目立つ展開、リスク回避の動きは限定的
28日のロンドン市場は、ユーロ買いが優勢。ユーロドルは1.14台にしっかりと乗せている。ユーロ円は126円台半ばをうかがう動き。序盤はリスク回避の動きが先行した。この日発表された中国製造業PMIが予想を下回ったこと、インドとパキスタンの緊張が高まっていること、加えて米朝首脳会談が合意できず決裂したことなどが背景。ドル円やクロス円に売り圧力が掛かった、しかし、軟調に取引を開始した欧州株が次第に下げ渋る動きとともに円買いも一服。パキスタン首相が拘束したインド空軍パイロットをあす釈放すると発表したことも安心感になったようだ。ユーロ買いについてはテクニカルな面が強そうだ。前日まで対ポンドでの売り圧力が継続したが、英議会採決を通過、一区切りついたこともあってきょうはユーロ買い・ポンド売りと巻き返しが入っている。一連のドイツ各州発表の消費者物価が前月比プラスに転じたことも影響したか。
ドル円は110円台後半での取引。東京市場での110.90近辺での揉み合いからは円高方向に動いた。インド・パキスタンの緊張の高まりに加えて、米朝首相会談が合意点を見いだせず物別れに終わったことがリスク回避の動きにつながった。欧州株は軟調に取引を開始した。ドル円は一時110.66レベルまで安値を広げた。しかし、その後は値動きが落ち着いており、110.70-80レベルでの取引が続いている。
ユーロドルは1.14台前半での取引。ロンドン朝方に1.1360台まで小安い動きがみられた後は買いが継続している。1.14台に乗せると前日高値を上回り1.1420レベルに高値を伸ばした。2月5日以来の高値水準となった。ユーロ円は序盤に125.89レベルまで下落したあとは、ユーロドルとともに買われ126.52レベルに高値を伸ばした。一連のドイツ各州の消費者物価指数が前月比プラスに転じたことが下支えとなった。また、昨日の英議会採決を通過し、一区切りついたことで、これまでのポンド買い・ユーロ売りに調整が入った面もありそうだ。
ポンドドルは1.33近辺での取引。この日は売りが先行し、1.3273レベルまで下押しされた。その後はユーロドルの上昇の勢いとともに1.33台を回復して揉み合いに。ポンド円は序盤に146.99レベルまで下落したが、その後は147.50レベルにワンタッチと買い戻されている。ただ、ユーロドルと比較すると反発は限定的。レッドサム下院院内総務は、「意味ある投票」であれば3月12日を待たずに採決を、と述べた。
minkabu PRESS編集部 松木秀明