【ロンドン市場】売買交錯し方向性欠ける取引、ドル円110円台後半
21日のロンドン市場は、売買が交錯して方向性に欠ける取引が続いている。ドル円は110円台後半と見慣れた水準での揉み合い。ユーロドルは1.13台でレンジを広げるも方向性はみえず。ポンドドルは1.30台で買い先行も、中盤には反落。欧州株は英株が軟調はほかは、高安まちまち。クロス円も方向性は見えづらい動き。この日発表されたドイツとユーロ圏のPMI速報値は製造業が悪化、非製造業が改善とまちまち。豪ドルは東京午後に中国が豪州産石炭の輸入を禁止との報道に急落したが、ロンドン市場では下げ一服。EU離脱関連では、ハモンド英財務相からEU側の譲歩への期待がみられたが、ユンケルEU委員長からは合意なき離脱の可能性を排除できずと悲観的な声もあった。ドンブロフスキEU副委員長やECBレーン氏からはリスクに備える姿勢がみられた。米株先物は小高く推移しており、米中貿易協議への進展期待は温存されているようだ。
ドル円は110円台後半での取引。ロンドン市場では動意薄の展開。110.70-80レベルを中心に目立った方向性に欠けている。見慣れた水準での取引にとどまっている。英株が軟調なほかは、欧州大陸株は高安まちまち。NY原油先物は高値水準での揉み合い。リスク動向は比較的落ち着いており、米中貿易協議の進展期待は残っているようだ。
ユーロドルは1.13台半ばでの取引。方向性に欠ける上下動が続いている。ロンドン市場では1.1321レベルから1.1363レベルとレンジ幅を広げている。ユーロ円は上値を125.87レベル、下値を125.33レベルに広げたが、ユーロドルと同様に方向性はみられず。この日発表されたドイツとユーロ圏のPMI速報値は製造業が悪化、非製造業が改善とまちまち。ドンブロフスキEU副委員長やECBレーン氏からは合意なき離脱や欧州経済の一時的な下振れなどのリスクに備える姿勢がみられた。
ポンドドルは1.30台後半での取引。ユーロ相場とともに神経質な上下動を繰り返している。買いが先行して高値を1.3088レベルに伸ばしたが、その後は1.30台前半に反落する場面があった。足元では再び1.30台後半と底堅い。ただ、前日高値には届かずレンジ内での動き。ポンド円は144円台前半から後半へと上昇しているが、対ドルと同様に売買は交錯している。対ユーロでは、ポンド買い先行後に押し戻される場面があった。ハモンド英財務相からEU側の譲歩を期待する声があった。一方、ユンケルEU委員長からは合意なき離脱の可能性を排除できずと悲観的な声も。1月の英公共部門純借入額は158億ポンドのマイナスと予想以上に好転したが、市場は反応薄だった。
minkabu PRESS編集部 松木秀明