【ロンドン市場】ドル円108円台後半、英欧の不透明感が前面に押し出され相対的にドル買い
16日のロンドン市場は、ドル買いの動きが優勢。米10年債利回りの上昇とともにドル円は108.80台へと高値を伸ばしている。その他主要通貨でもドル高の動き。ポンドドルやユーロドルは序盤に上値を試したが、その後は軟調。ポンドドルは1.28台半ばと比較的底堅いが、ユーロドルは1.13台後半へと下落。豪ドル/ドルは0.72台から0.71台後半へと下押し。昨日の英議会採決では大差でEU離脱協定案が否決された。きょうは英内閣不信任投票が待ち構えている。EU委員会は、再交渉するつもりはないと再度表明した。英消費者物価指数の伸びは前年比2.1%に鈍化。ユーロ圏経済にとっては、昨日発表されたドイツ通年GDPの伸び鈍化が重石。また、カーニー英中銀総裁は、中国の成長鈍化について指摘していた。英欧中などの不安材料で、相対的にドルが買われやすい状況となっていた。欧州株は方向感に欠ける不安定な値動きになっている。
ドル円は108円台後半での取引。東京市場でやや下押しされたあと、ロンドン市場では108.50近辺から上昇。米10年債利回りが2.71%近辺から2.74%近辺に上昇する動きとともに108.88レベルまで高値を伸ばした。英欧などの不透明感が広がるなかで、相対的にドル買いとなっていたもよう。欧州株は売買が交錯しており、方向感に欠ける動き。原油先物は51台へと反落している。
ユーロドルは1.13台後半での取引。序盤には前日の下げからの調整が入り、1.1425レベルまで買われた。しかし、その後は上値が重くなり1.14台割れから1.1378レベルまで下落、前日NY安値を割り込んだ。ユーロ円は124円台に乗せたものの、上値重く123.80近辺へと押し戻されている。きょうは目立った欧州経済指標発表は無かったが、前日のドイツ成長鈍化の影響が残っているもよう。ノボトニー・オーストリア中銀総裁は、経済の拡大は続くが、欧州ではペースが鈍化する見込み、と述べている。
ポンドドルは1.28台半ばでの取引。序盤は買いが先行し、高値を1.2896レベルに伸ばしたが、1.29台に乗せ切れず反落。その後の下押しは1.2840台まで。ポンド円は140.07レベルまで買われたが、すぐに139円台に戻した。139円台後半での取引が続いている。いずれもポンドは前日英下院採決後の高値圏で取引されており、大きな調整とはなっていない。対ユーロでもポンドは堅調。ただ、EU委員会は、再交渉するつもりはないと再度表明。きょうは英内閣不信任投票が待ち構えている。この日発表された12月の英消費者物価指数は前年比+2.1%と予想と一致も、前回の+2.3%からは伸びが鈍化した。
minkabu PRESS編集部 松木秀明