【ロンドン市場】リスク回避の動き、中国の輸出入が予想外に落ち込む
14日のロンドン市場は、リスク回避の動きが優勢。この日発表された12月の中国貿易統計で輸出入ともに予想外の大幅減となったことが背景。中国の景気鈍化が懸念されており、原油などの資源価格や資源関連株などが下落している。週明けの欧州株および米株先物は売りが先行しており、取引中盤にかけても下げ幅を拡大。ドル円はアジア午前の下落を受けて108円台前半から一時108円割れまで一段と下落。欧州通貨も軟調。序盤はポジション調整的にポンド売りが入ったが、11月ユーロ圏鉱工業生産が予想以上に落ち込んだことでユーロ売り圧力が広がった。ユーロドルは1.14台後半で上値重く、ユーロ円は123円台後半へと安値を広げた。ポンドはあすの英下院採決を控えて、買いが再燃。先週末にはEU離脱期限延長についての報道がポンド買いを誘ったが、週明けも思惑は残っているもよう。ポンドドルは1.28台後半、ポンド円は138円台後半へ下押し後、139円台に戻す動き。
ドル円は108円近辺での取引。東京不在のアジア市場では108円台半ばから108円台前半へと下落。12月の中国貿易統計で輸出が前年比-4.4%、輸入が同-7.6%と予想外の大幅減となったことが背景。上海株や香港株が下落している。ロンドン市場でも欧州株や時間外取引の米株先物が下落、リスク回避圧力が継続している。ドル円は安値を107.99レベルに広げた。ただ、市場筋によると108.00や108.15にNYカットのオプション期限が設定されているもよう。この時間帯は下値を拾う動きも散見されている。
ユーロドルは1.14台後半での取引。先週末に1.15台割れから1.14台半ばまで下落した動きを受けての週明け取引。ロンドン序盤には1.1442-1.1482レベルにレンジ上下限を広げた。11月のユーロ圏鉱工業生産が前月比-1.7%、前年比-3.3%と大幅減となったことが売り圧力となっているが、新たな流れを形成するには至っていない。一方、ユーロ円は欧州株安などリスク回避の円高圧力が加わり124円台割れから123.77レベルまで安値を広げた。その後も124円台が重くなっている。序盤は対ポンドで買われたが、ユーロ圏鉱工業生産の発表で下げに転じている。
ポンドドルは1.28台後半での取引。序盤には調整的な売りで1.2819レベルに安値を広げたが、その後は再び買われている。足元では高値を1.2873レベルに伸ばし、前週末高値を上抜けている。ポンド円は序盤に138.60近辺に安値を広げたあとは、139円台を一時回復しており、下げは一服。ユーロポンドは0.8950レベルまで買われたあとは、0.8910台へと軟化している。メイ英首相は週末にEU指導者らと会談を行ったと報じられており、きょうは現地時間午後に議会で声明を発表するという。あすのEU離脱に関する下院採決では、否決される可能性が高まっており、焦点は合意なき離脱を実現するための方策に移ってきている。市場では、議会と英政府双方の動きに注意が払われている。
minkabu PRESS編集部 松木秀明