今週のまとめ1日7日から1月11日の週


 7日からの週は、ドル売り圧力が優勢だった。前週末にパウエル米FRB議長が利上げ打ち止めの可能性を示唆したことが背景。続いてこの週にも複数の米金融当局者らが講演でハト派のコメントを発している。その一方で、米国をはじめとした各国株式市場は堅調だった。原油相場など商品市況も上昇。リスク動向は回復しており、為替市場では円安の動きも交錯。全般に相場の方向性はまちまち。米中次官級の通商協議が1日延長して3日間にわたって実施されたが、具体的な内容は報じられなかった。市場は今後の閣僚級の協議に期待をつないだ格好。米国では引き続き連邦政府の一部閉鎖状態が解消されていない。英国では来週15日の英下院でのEU離脱協定案の採決が焦点。一部には離脱期限延長の思惑もでていた。ドル安圧力の影響で、人民元など新興国通貨が買われており、海外投資家が戻るとの期待から香港・上海株は持ち直している。ドル円は一時109円台まで買われたが、その後107円台まで反落。108円台を中心とした取引となった。ユーロドルは一時1.15台後半へと上昇。豪ドル/ドルも0.72台乗せと堅調。ポンドドルはEU離脱関連の報道に神経質に上下動する展開だった。


(7日)
 東京市場で、ドル円は上下動。朝方は買いが先行も、その後は調整売りに転じた。先週末の米雇用統計の好結果および米株大幅高を受けて、週明け東京市場では日経平均の上昇とともに108.78近辺まで買われた。しかし、109円には届かず反落。安値は108.02レベルと大台は維持された。その後は、108円台前半での揉み合い。米中次官級の通商協議が始まり、期待感も。ユーロドルは1.14台乗せ。先週末の米雇用統計後のドル高の修正の流れが継続した形。

 ロンドン市場では、ドル売りが先行。先週末にパウエル米FRB議長が利上げの打ち止めの可能性を示唆したことで、市場での利上げ観測が急速に後退、利下げの見通しが広がった。米債利回りが低下、ドル売りにつながった経緯がある。週明けのロンドン市場では一段とドル安水準を広げる動きで始まった。ユーロドルは1.1448レベル、ポンドドルは1.2765レベルまで買われた。しかし、次第にドル売りは一服。ドル円は東京市場で108.02レベルまで反落したあと、ロンドン市場では108円台前半で下げ渋り。大台割れは回避されている。ポンドは対ユーロで軟調。メイ英首相は15日前後に英下院でEU離脱案採決を実施すると報じられた。

 NY市場では、ドル売りが継続。先週末のパウエルFRB議長の慎重な発言から市場は、米金利先高観を後退させておりドルを圧迫している。ユーロドルは1.1480近辺まで、ポンドドルは1.2785近辺まで上昇。一方、株高・円安でドル円は108円台後半へと買い戻しの動きも見られた。米中次官級の通商協議が北京で始まった。ロス商務長官は、喫緊の課題に関しては合意の可能性を示唆したが、構造的問題についてはまだ厳しい状況とした。トランプ米大統領が日本時間9日午前11時に演説を行う予定と発表された。メイ英首相は、EUからバックストップが暫定的であるとの確約を得たい意向。合意なき離脱に関する委員会設立を発表。ポンド相場は流動的に。
 
(8日)
 東京市場で、ドル円は108円台後半を中心とした取引。前日の米株続伸を受けて日本株も堅調に推移。ドル円は108円台後半から一時109円を付けるところまで上昇。ただ、上値も重く揉み合い商状となっている。ユーロドルは朝方に1.1485近辺まで上昇したが、その後は1.1430レベルまで軟化。ポンドドルは1.27台後半での振幅が続いた。日本時間9日午前11時にトランプ演説を控えて積極的には動きにくムードもあったようだ。

 ロンドン市場は、全般的に方向感に欠ける取引。ドル円は序盤に109円台乗せも、買いは続かず108円台後半へと押し戻された。ユーロ円などクロス円も比較的狭いレンジでの上下動。ユーロドルなどドル相場は、序盤にドル高方向を試したが失速、東京市場からのレンジをたどる動きとなっている。ポンド相場は英EU離脱関連の報道で神経質だが、上下どちらの方向にも抜け出していない。米10年債利回りは2.69%台を中心とした動きに終始。欧州株や米株先物は買いが先行し、リスク動向は落ち着いている。ただ、米中次官級通商協議の行方や、あす東京午前にトランプ米大統領の演説を控えており、短期ポジションに調整が入る面もあったようだ。

 NY市場は、株式市場をにらみつつ、ドル円が108円台で上下動した。序盤は戻り売りが優勢で108円台半ばまで下落。その後は米株の持ち直しとともにドル円も再び上昇。ただ、109円台には届かず。ロンドン序盤の109円台乗せで、104円台までのフラッシュクラッシュ相場からの回復にある程度の達成感がでたもよう。FRB議長の利上げ慎重姿勢で上値を積極的には買いにくい面も。ユーロドルは序盤に下押しされたが、1.14台は維持している。米独国際の利回り格差が縮小しており、ユーロドルの買い材料として着目する見方もあった。 ポンドは上値が重い。合意なき離脱への警戒感が根強い。メイ英首相は15日に下院での採決を行う予定。

(9日)
 東京市場で、ドル円は堅調な地合い。ドル円は昼前の時間帯に109円ちょうどまで買われた。注目されたトランプ大統領の演説は壁建設の必要性を強く主張するものとなったが、新味はなく、相場の反応は限定的。ただ、イベントクリアでの安心感もあってじりじりとドル買い円売りに。米中次官級協議への期待感もドル円を支えた。109円台には乗せ切れず、108円台後半に落ち着いた。

 ロンドン市場は、方向感に欠ける取引だった。ドル円は108円台後半での揉み合い。ユーロドルは1.14台、ポンドドルは1.27台での上下動。対欧州通貨ではドル売りが先行したが、すぐに反転した。市場では3日間に及んだ米中次官級の通商協議が終了した。声明待ちの状況。独貿易・経常黒字の拡大や米MBAローン申請指数の大幅増などは特段材料視されず。欧州株は堅調、原油先物は上昇などリスク動向は回復しているが、一段の円安の動きは小幅にとどまった。ユーロ円は124円台後半、ポンド円は一時139円台乗せも買いは続かず。

 NY市場では、ドル売りが強まった。ボスティック・アトランタ連銀総裁とエバンス・シカゴ連銀総裁の発言が伝わり、両総裁ともにハト派な見解を述べていた。先日のパウエルFRB議長の発言以降、米金利先高観が後退しており、年内は1回利上げを実施したあとFRBは、利上げサイクルを一旦停止するのではとの期待が強まってきている。午後にFOMC議事録が公表され、追加利上げに辛抱強くなれると多くが判断していることが明らかとなった。ドル円は取引終盤に一時108円割れ。ユーロドルはストップを巻き込んで買いが加速、1.1550近辺まで上昇。ポンドドルは1.28付近に上昇。カナダ中銀は政策金利を据え置いたが、声明では「そのうちに利上げが必要になる」としたことでカナダ買いの反応がみられた。
 
(10日)
 東京市場は、ドル円が軟調。ゴトウビの仲値公示後に売りが強まり、108円台をしっかりと割り込んだ。安値を107.82レベルまで広げた。その後は108円台を下回る水準で揉み合っている。これまでの円安に調整が入ったほか、NY市場午後のFOMC議事録での慎重な姿勢や、トランプ米大統領と米野党民主党との対立姿勢などがドル売り円買いを誘った。一方、米中の通商摩擦交渉進展期待などで、中国買いの動きがみられた。ドル人民元は昨年8月の安値を割り込み、6.8180近辺から6.78台まで値を落とす格好となった。下げて始まっていた上海総合は一時プラスに転じた。

 ロンドン市場は、ドル買いが先行。前日からのドル安の流れに調整が入った。欧州、ロンドン市場では目立った材料に欠けており、このあとのNY市場でのパウエルFRB議長など一連の米金融当局者の講演・発言内容を見極めたいとのムード。ドル円は108円台前半へと反発したが、欧州株や米株先物の下げが重石となり、108円近辺に押し戻されている。ユーロドルは1.15台前半へと小反落、前日からのドル安の流れは一服。ポンドドルは1.27台後半から前半へとやや下げがきつい。英EU離脱をめぐる不透明感で対円や対ユーロでは本日安値を広げている。

 NY市場では、ドルの買戻しが優勢。昼過ぎにパウエルFRB議長の発言が伝わった。「辛抱強く柔軟にいられる」と述べる一方で、「景気後退のリスクが高まっている気配はない。バランスシートを正常に戻したい」とした。12月ECB議事録では、成長見通し引き下げがユーロ圏経済へのリスクの高まりを認めたことになる、とした。一方、今後の見通しへのリスクバランスはおおむね均衡と判断していた。ドル円は108円台半ばまで上昇。米株は売りが先行したが、下げを戻す動きに円売りの反応がみられた。ユーロドルは1.15台割れと上昇一服。ポンドドルも来週15日の英議会採決を控えて上値が重く、1.27台前半まで下落。
 
(11日)
 東京市場は、小動き。ドル円は108円台での揉み合いが続いた。朝方は前日NY市場でのドル買いに対する調整が入ったが、東京株式市場が堅調となり、下げは限定的。東京市場の三連休を控えて模様眺めムードだった。ユーロドルは1.1530台まで買われ、ドルがやや軟調。最も目立ったのが人民元買いの動き。ドル/人民元は6.7456を付けるなど大幅下落。今週に入って6.85台から大きく崩れる展開となっている。米中通商交渉の進展期待などが背景とみられる。

 ロンドン市場は、ポンドが荒っぽい値動きとなった。英鉱工業生産などの指標発表を控えてポンド売りが先行したが、予想よりも弱い結果の発表後には逆に買い戻された。その後、一部報道が英閣僚らがEU離脱期限が延長される見込みとしたことでポンドが急伸。その直後に英政府が英政府の方針としては延期しないと否定、ポンドは急反落した。ポンドドルは1.27台前半から1.28台半ばで、ポンド円は137円台後半から139円台前半で振幅した。ドル円は108円台前半、ユーロドルが1.15台前半で模様眺め相場。豪ドルは原油先物の上昇とともに東京市場から一段高と比較的素直な展開となっている。

 NY市場はドル買い戻しが強まった。朝方発表になった米消費者物価指数(CPI)は予想通りの内容でサプライズはない。特段のドル買い材料も見当たらない中、まとまったドル買いオーダーが入った模様。ドル円はNY時間に入って動きが活発になった。一旦売りが強まり108.15近辺まで下落したあと、今度は急速に買い戻しが強まり、ストップを巻き込んで108.60近辺まで一気に上昇した。

出所: minkabuPRESS

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