【NY市場】株安が続く中、ドル買い優勢に 米政府機関閉鎖のリスクは高まる
きょうのNY為替市場はドル買いが優勢となっており、ドル円は111.45円付近まで一時買い戻された。特にドル買いを誘う材料は見当たらないが、クリスマス休暇が控える中で市場参加者も少なくなって来ており、実需や調整のドル買いが出ていたのかもしれない。
きょうも米株式市場は売りが続いた。きょうは米暫定予算の期限を向かえるがトランプ大統領は、民主党が国境の壁の予算を拒否するなら、極めて長期の政府閉鎖もあり得ると警告しており緊張が続いている。
この日はGDP確報値やPCEデフレータが発表になっていたが、GDPは個人消費がやや下方修正され、GDP自体も年率換算で3.4%に下方修正された。ただ、第3四半期は高成長であったことに違いはない。PCEデフレータはコア指数で前年比1.9%となっていた。インフレ上昇圧力は依然として見られずFRBの目標付近で安定した推移を続けている。
ドル円は朝方にリスク回避の円高が強まり110円台に再び下落した。200日線が控える110.90円近辺を試す動きも見られたが、ドル高に支えられて111.45円近辺まで下げ渋る展開。
ウィリアムズNY連銀総裁の発言で米株が急速に買い戻されていたこともドル円をサポート。総裁は「追加利上げはコミットでも約束でもない。市場の動向に注意深く聞き耳を立てている」などと述べていた。ややハト派な雰囲気も滲ませており米株が急上昇し、ドル円も追随した格好。ただ、米政府機関閉鎖のリスクも高まる中で、米株は上げを維持できていない。
ユーロドルは売りが優勢となり、1.13ドル台に下落している。高値から100ポイントの下落。21日線が1.1355ドル付近に来ているが、その水準まで再び下げる展開。きょうの下げで100日線に跳ね返された格好となっており、なかなかリバウンドの流れを形成できないようだ。米経済よりもユーロ圏経済のほうが不安が大きい面があるのかもしれない。
ポンドドルも下値模索となり、1.26ドル台前半に下落。1.26ドル台後半まで一旦上昇していたが、1.27ドル台が次第に重くなって来ているようだ。21日線で上値を抑えられており、下げ渋りの動きが続いてはいるものの上値は重い。来年1月の英EU離脱協定に対する英議会投票の結果が判明するまでは、積極的にポンド買いを入れるインセンティブも無さそうだ。
minkabu PRESS編集部 野沢卓美