【ロンドン市場】欧州株安、円高・ドル高の動き広がる、ドル円は113円台半ばで静観も
14日のロンドン市場は、円高・ドル高の動き。欧州株や米株先物が下落しており、リスク回避圧力が広がっている。この日発表された中国の小売売上高や鉱工業生産が弱かったことで、世界経済への不透明感が広がったことが背景。さらに独仏ユーロ圏のPMI速報値が下振れしたことで、ユーロ売りも強まっている。中国が米自動車および同部品に対する報復関税を3か月間停止すると報じられると、一時円売りに反応する場面があった。しかし、ユーロ主導での売り圧力は根強い。取引中盤には再び下押しされている。そのなかで、ドル円は113円台半ばでの揉み合いに終始した。このあとのNY市場では米小売売上高および鉱工業生産などが発表される。
ドル円は113円台半ばでの取引。東京市場では日経平均や香港・上海株の下落を受けて113.43レベルまで下落したが、ロンドン序盤には113.60近辺へと反発。しかし、東京高値113.66レベルには届かず、狭いレンジでの揉み合いが続いている。クロス円の下落とドル買いの間で、板挟みとなっている。
ユーロドルは1.12台後半での取引。東京市場では1.1360近辺に膠着していたが、ロンドン市場では売りが強まっている。欧州株の下落とともに1.13台割れ。いったん1.13台を回復も、上値重く再び1.1280台へと下落している。ユーロ円は128.90-00レベルから一気に128.12レベルまで下落。その後も128円台前半にとどまっており、上値は重い。この日発表された一連の欧州12月PMI速報値はいずれも予想を下回った。特に、デモが続いたフランスでは景気悪化見通しを示す50割れへと低下している。前日理事会では来年の成長およびインフレ見通しが引き下げられたが、きょうの独連銀が2018年、19年のGDP成長見通しを引き下げた。
ポンドドルは1.25台半ばでの取引。ユーロとともに売り圧力が継続している。1.26台を割り込み、1.25台後半へと下落。戻りは限定的で、足元では1.2550台へと一一段安になっている。ポンド円は143円台前半から142円台後半へと下落。ユーロポンドは売り先行も足元では反発している。きょうは目立った英国関連の報道はみられないが、合意なき離脱への警戒感は根強いようだ。来週には英政府が閣議で合意なき離脱についての対応を協議する見込み。
minkabu PRESS編集部 松木秀明