【ロンドン市場】クロス円主導で円安が先行、ECB理事会待ちで値動き収束
13日のロンドン市場は、クロス円主導で円安の動きが先行した。欧州株が堅調に取引を開始し、リスク警戒感が緩和された。前日の英保守党でのメイ党首不信任投票で、メイ支持派が多数だったことでひとまず目先のリスク要因が剥落した。また、イタリア債やフランス債も買われており、ドイツ債との利回り格差は縮小している。豪ドルも買いが先行した。ただ、次第に欧州株が上げ幅を縮小し、一時マイナスに転じる動きとともに、クロス円は序盤の上げを消している。原油先物は一時51ドル割れ。ユーロにとってはECBがインフレ見通しを下方修正との報道も重石。足元では、ECB理事会の結果待ちとなっており、クロス円は揉み合い商状となっている。
ドル円は113円台前半での取引。東京市場では113.15-20レベルから113.50レベルまで買われたが、ロンドン市場では一段と上値を試す動きにはなっていない。上値は113.50レベルで何度も止められており、上値に売り注文が厚いとの観測がでている。ただ、下押しは113.37レベルまでと限定的。
ユーロドルは1.13台後半での取引。序盤は買いが先行し、1.1393レベルに高値を伸ばした。しかし、その後は失速して1.1370割れまで反落。その後は下値も堅く、小幅の値動きにとどまっている。この日はイタリア債やフランス債が買われており、ドイツ債との利回り格差は縮小。リスク警戒感は後退している。ただ、欧州株や米株先物が序盤の上げ幅を削っており、一時マイナスに転じるなど不安定。ユー離縁は129.26レベルまで買われたあとは、129円ちょうど付近へと小反落している。ECB理事会待ちとなっている。事前にインフレ見通しが下方修正されるとの報道もあり、成長見通しとともに市場は注目している。ドラギ総裁会見とともに見通し詳細が公表される予定。
ポンドドルは1.26台半ばでの取引。東京市場では1.26台前半での揉み合いが続いたが、ロンドン勢は買いから参入。一時1.2687レベルまで上昇した。ポンド円も143円台前半から143.91レベルまで買われたあとは、143.50近辺へと上昇一服。前日からの高値圏を維持している。メイ英首相はEU首脳会談に先立って、欧州高官らと協議しているもよう。昨日にはEU側から、交渉には応じないとの姿勢が示されていたが、説得できるのかどうか。英議会はクリスマス前には採決を行わない、としている。
minkabu PRESS編集部 松木秀明