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今週のまとめ11日12日から11月16日の週

為替 

 12日からの週は、ポンド相場が乱高下した。EU離脱交渉をめぐる動向が目まぐるしく変化している。週前半は事務レベルでのEU離脱案の合意が報じられて、ポンド買いが優勢。英閣議での了承も得られた。しかし、その好ムードも束の間、ラーブ英EU離脱担当相が辞任、その他複数の閣僚も辞任したことで一気にポンド売りが強まった。議会承認にも暗雲が立ち込めたほか、メイ英首相の信任を問う動きもみられている。ポンド相場は非常にボラタイルな値動きとなった。一方で、その他主要通貨は比較的穏やかな値動き。株式市場には調整圧力がかかる場面があったが、米中通商協議が再開されたことで貿易戦争回避への期待も広がった。為替市場ではポンド以外の通貨ではドル安の動きが優勢。クロス円にはポンド円の大幅安の影響もみられたが、下値では買いが入り、総じて円高には傾かなかった。ドル円は114円台では売り注文が多く、113円台での取引が続いた。


(12日)
 東京市場では、ドル高の動き。株式市場が序盤の下げから、プラスに転じる動きがリスク選好ムードを広げた。ドル円は114円台を回復。一方、ユーロドルやポンドドルなども頭の重い展開が続き、ドル円以外でもドル高が進行。今日はベテランズデーで米国が祝日となり、債券市場などが休場となる。ドル高の目立った材料が出たというわけではないが、ここにきて不透明感が強まるブレグジット交渉への警戒感などが欧州通貨売りを誘った格好。

 ロンドン市場では、ドルが一段と買われた。ポンド売りが先行するなかでユーロドルも下落。節目の1.13ドル割れから一気に1.1250割れ水準まで下落した。ポンドドルは1.28台前半へと下落、ドル円は114.21レベルに高値を更新。しかし、欧州株が下げに転じると円買い圧力が加わり113.80台まで反落した。ユーロ円やポンド円も軟化。ポンドにとっては英EU離脱交渉にまだ進展がみられないこと、ユーロにとってはイタリア予算案があすのEU期限を控えて修正されない見通しであることなどが重石となっている。米債券取引は休止となっているが、欧州ではドイツ債や英国債利回りが低下しており、欧州通貨安の一因ともなっている。

 NY市場は、ベテランズデーで取引閑散。株式市場、商品市場などは開いていてが、銀行は基本的にお休みで、債券市場などが休場。為替市場も参加者が少なかった。ドル円は株安を受けて一時113.66近辺まで下落。その後は113円台後半での揉み合い。先月就任したサンフランシスコ連銀のデイリー総裁が12月の利上げ及び来年少なくとも二回の利上げに言及した。ロンドン市場でポイントである1.13を割り込んだユーロドルは1.12台前半の弱め推移。
 
(13日)
 東京市場は、株安もドル円は底堅い動き。前日の米株がIT株主導で大幅安となったことを受けて、日経平均が一時700円を大きく超える下げとなった。ドル円は前日海外市場からの売り圧力が続いて113.50台まで軟化。しかし、その後は114円近辺へと買い戻しが優勢に。午後に米株先物や中国株に買いが入ったことが背景。昨日値を落としたユーロドルやポンドドルはやや反発。ユーロドルは1.12台半ばを回復、ポンドドルは1.28台後半に。

 ロンドン市場では、円売りが先行したがその後の伸びは限定的。米中貿易戦争の改善期待で中国株が買われた流れを受けて、ロンドン市場では欧州株と米株先物が堅調に。ただ、取引中盤にはやや買い一服となっている。英国やイタリアがEUの要求通りには動く気配がなく、今後の火種は残っている状況。また、前日のトランプ大統領の減産をけん制する発言を受けて、原油先物が一段安となっている。ドル円は114円台に乗せたが、伸びは限定的。ユーロ円は128円台前半、ポンド円は147円台前半での高止まり。ユーロドルやポンドドルは前日の下げを戻す方向に動いている。ポンドは、EU離脱合意期待とともに、賃金上昇の統計結果が好感された面も。

 NY市場では、クロス円が堅調。ユーロ円は128.75近辺、ポンド円は148円台後半まで上昇した。ややドル売り優勢も、ドル円は底堅く113円台後半で下げ渋り。貿易問題で米中が協議を再開との報道が好感された。ポンドについては、一部報道で英国とEU交渉担当者がアイルランド国境についての文書で合意したもよう。一方、ユーロについては、イタリア政府が予算修正案をEUに提出したが、内容は前回とほぼ同一。今後の火種に。取引終盤は米株が軟調となり、クロス円の上昇は一服。

(14日)
 東京市場で、ドル円は113円台後半での取引。朝方は買いが先行。トランプ政権が自動車追加関税を当面保留するとの報道が好感され、113.99レベルまで買われた。日経平均は前日米株の下落にも上値を伸ばす展開。しかし、この日は中国株がさえない動きとなり日本株も上げを失う。午後には再び株高と方向性を欠いた。ドル円は113円台後半での振幅に。ポンドドルは1.30台を挟んで上下動。EU離脱関連の報道に敏感な展開。

 ロンドン市場では、円買いが優勢。欧州株安で、リスク回避的な円高圧力が先行。昨日提示されたイタリア修正予算案が前回とほぼ同内容だったことで、EUとの摩擦は避けられないとの見方が広がっている。イタリア債やイタリア株が下落。また、昨日の動きで、英EU離脱合意に向けて一歩前進となったが、今日は今後のプロセスにまだ不透明感が残るとの見方もでている。ポンド相場主導でドル高や円高の動きに。ポンドドルは1.30台から1.28台で神経質な動き。ポンド円は148円台から146円台後半へ。ユーロや豪ドルも軟調な動きを示した。ただ、NY市場を控えて円が売り戻される動きも入っている。ドル円は113円台後半、ユーロドルは1.12台後半での取引。ユーロ円は128円台で上下動。

 NY市場では、英閣議をめぐりポンドが乱高下。米株安で円高の動きも強まった。きょうは英EU離脱協定に関してメイ政権が閣議を行ったが、予定時間になっても閣議が終了しなかったことから市場は不安感を強めた。その後、メイ首相の提案が閣議で了承された。ポンド円は148円台から一時146.35近辺まで下落、その後148円台に戻す動き。ドル円は114円手前での揉み合いから米株の下げ幅拡大やポンド円の下落局面で一時113.30近辺まで下落した。米株の下げについては北米自由貿易協定(NAFTA)に代わる新協定である米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)について、トランプ大統領が交渉をやり直さない限り、議会通過は絶望的な状況になっていることが嫌気された。
 
(15日)
 東京市場は、小動き。ドル円は113円台半ばでの推移が続いた。前日の米株安を受けて朝方はリスク警戒感が残ったが、日経平均は寄り付き後の下げ幅を次第に縮小した。香港・上海株が堅調に推移し、リスク警戒感は後退。昨日の海外市場でブレグジットがらみで乱高下を見せたポンドは、1.30近辺と前日からの高値圏での推移。ユーロドルは1.13台前半での推移。豪ドルは堅調。豪雇用統計結果が強かったことが背景。

 ロンドン市場では、ポンドが急落。ラーブ英EU離脱担当相の辞任が市場にショックを与えた。朝方は米中貿易摩擦の改善期待などで中国株が買われたことで、ややドル安・円安の動き。しかし、昨日の英閣議でのEU離脱案承認をめぐり、各方面からの不満が噴出、なかでも身内であるラーブ英EU離脱担当相など英保守党閣僚らの辞任でポンドがショック安となった。この動きがユーロなどその他主要通貨にも波及、欧州株が下げに転じるなどリスク警戒ムードに。ポンドドルやポンド円が約300ポイントの急落となるなかで、ドル円は113円台前半、ユーロ円127円台後半、ユーロドル1.13台割れまで下押しされた。

 NY市場では、引き続きポンドが軟調。ラーブEU離脱担当相の辞任が伝えられ、メイ首相の去就を含めて英政治リスクが高まっている。英議会がEU離脱協定案を承認するか不透明な情勢で合意なき離脱への警戒感が高まっている。与党保守党内からもメイ首相の党首としての信任投票実施の声が上がっている状況。ポンドドルは1.27台前半、ポンド円は144円台前半まで安値を広げた。ただ、米株にはショートカバーとみられる買いが入り、原油相場も反発。リスク警戒感はやや一服。ドル円は113.10近辺まで下押しされたあと、133.70近辺まで反発。ユーロドルは底堅く1、1.13台を回復。
 
(16日)
 東京市場は、ドル円が軟調。前日NY市場後半の上昇を消す動きとなり、再び113円台前半へと軟化している。株式市場が不安定なことに反応。米半導体企業決算の悪化で米株先物が反落、日経平均も123円安で引けた。ドル円とともに豪ドル円も82円台後半から前半へと軟化。一方、ユーロ円やポンド円は小動き。メイ英政権や合意なき離脱の行方を見極めたいとのムードに。上海株は序盤の下げから上昇に転じているが、為替市場は反応薄。

 ロンドン市場は、比較的落ち着いた展開。ポンドドル1.28挟み、ポンド円145円挟みで振幅しているが、一段安の動きは一服。メイ英首相がラジオ番組に出演、DUPとの仲違いはないとして、協力関係が強調されていた。ゴーブ英環境相は辞任を思いとどまったとの報道もあった。ドル円は113.22レベルまで下げたあとは113円台前半での揉み合い。ユーロドルは1.1368レベルに高値を伸ばしたあと、1.1322レベルまで反落。ユーロ円は128円台でやや円高推移。米株先物の下げで欧州株も下落に転じている。一方、原油先物は反発。

 NY市場はドル売りが優勢となった。FRB幹部の発言に敏感に反応しているようだ。特にクラリダFRB副議長の発言に反応していたようで、副議長は米CNBCのインタビューで「世界経済に減速している証拠がある」と述べていた。ドル円は112円台に下落し、ストップを巻き込んで112.65近辺まで一時下落。

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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