ECB理事会後にユーロが急落
忙しい人のサマリー
ECB理事会後にユーロが急落
利上げ時期を市場の期待よりも遅い、少なくとも来年夏以降とガイダンスに示し
ユーロ売りを誘った
ドル円はしっかり、ドル全面高に
【東京市場】米債利回りの低下が重石
ドル円は午前中にいったん値を戻したものの、その後再び売りが強まる展開に。
FOMC後にいったん110円85銭まで上昇も、111円手前の売りが厚く上値の重さが印象付けられたことや、米紙が中国に対する関税適用を早ければ金曜日にも開始すると報じたことなどが、ドル売りを誘い、朝方いったん110円08銭近辺まで。
東京勢が本格参加すると、少し値を戻す動きとなり110円35銭近辺まで回復も、午後に入ると再びドル売りが強まった。
午後のドル売りは米債利回りの低下が主要因に。午前中2.97%台まで上昇していた米10年債利回りが2.94%台まで落ちる中で、ドルは小幅ながら全面安に。ドル円が110円07銭を付け、朝の安値を割り込んだほか、ユーロドルが1.18台を回復し、1.1811を付けるなど、ユーロ高ドル安が進行した。
【ロンドン市場】理事会控えて様子見
ECB理事会を控えて様子見ムードが強い展開に。
ドル売りがやや優勢でドル円が110円を割り込む動き。ユーロドルも1.18台前半へ上昇と、ドル全般に売りが出ていた。
ポンドは英小売売上高が強めに出たことで買いが入る展開。対ドルでも1.3405近辺から1.3450手前まで買い進まられた。
【NY市場】ECB理事会受けてユーロ安
ECB理事会では年末時点での量的緩和終了が示され、1.1825近辺から1.1850近辺を付けた後、一気に急落した。
利上げについて、市場の見こしていた来年春ごろではなく、少なくとも夏以降というガイダンスが予想外に示されたことを嫌気した格好。
ユーロドルは1.17台前半へ急落し、その後も戻りが重く1.15台へ。
ユーロ円も大きく下げたが、強気なFOMCとの政策金利状況の対照的な状況もあって
ユーロドルでの下げがきつく、ドルは全面高となって110円台後半へ。
【本日の見通し】ユーロ売り警戒
ポイントである1.15に迫る動きとなったユーロに警戒感。大台を割り込むとさらなる売りも、週末を前に調整の動きが先行する可能性も。
今日結果が発表される日銀金融政策決定会合は、基本的に現状維持が見込まれる動き。
物価低迷について黒田総裁のコメントなどが注目されるところで、今後の引き締めに向けた期待がさらに後退するようだと少し円売りも。
【本日の戦略】押し目買い
ドル円は押し目買い。ドルの上昇基調は継続。
ECBが慎重姿勢を見せたことで、ドルの利上げ基調が印象付けられる形となっており、底堅さが期待される展開が続きそう。
110円台前半での買いを意識も、週末越えのポジションは基本慎重に。
デイトレも買いからの回転、ユーロドルでの戻り売りも意識。
※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません