米朝会談中止でリスク回避の動き
忙しい人のサマリー
米朝会談中止でリスク回避の動き
ドル円一時109円割れ、クロス円も値を落とし円買い強まる
【東京市場】調整強まる展開に
昨日のロンドン市場で110円台半ばから109円60銭割れまで戻した後、NY午後に110円30銭台まで回復を見せたドル円。FOMC議事録が慎重なものとなったこともあり、頭の重い展開に。
東京朝を110円ちょうど近辺で迎えると、少しドル買いをトライする場面が見られたが、すぐに反転。株安の動きが米債利回りの低調な動きに警戒感が広がり、円高が進行した。すぐに109円台後半に落とすと、仲値後に売りが強まり109円台半ば割れ。
いったんは値を戻すも、109円70銭手前がすでに重くなっており、後場に入って株安が強まったこともあり、109円30銭台に。
円主導の動きで、クロス円も軒並みの下落。ユーロ円が128円台後半から128円割れを付けるところまで売り込まれた。
ユーロドルは1.17近辺でもみ合いに。
NY市場で緊急利上げを行ったトルコリラは対ドルでもみ合い。対円では後場の円高進行に頭が重いもの23円台後半のレンジ台で推移。
【ロンドン市場】ドル円109円台後半に
東京市場の流れをうけて、序盤に109円30銭台まで値を落とした後、109円台後半を回復した。
イタリア新政権についての警戒感は、首相に指名されたコンテ氏の組閣着手で、とりあえず一服しており、警戒感が後退する流れに。
北朝鮮の核実験場廃棄報道には反応薄。
【NY市場】米朝会談中止で円高
米朝会談の注視が米国側から発表された。
ペンス副大統領発言などに対する、最近の北朝鮮からの「激しい怒りとあらわな敵意」を理由として言及している。
ドル売り円買いの動きが強まり、ドル円は一時109円割れも。大台回復後の戻りも鈍く、109円台前半での推移に。
リスク回避の円高でクロス円も軒並みの下落で、ユーロ円は昨年8月来となる127円台を付ける場面も。
欧州通貨は対ドルでも頭が重く、クロス円の下げに寄与。直近の指標の弱さなどが重石となっている。
【本日の見通し】警戒感継続でもみ合い
地政学的リスクを警戒する動きに。
もっとも米朝会談については中止も以前からある程度視野に入っており、反応一服後にどこまで売りが出るかは微妙なところ。
109円割れの動きも、その後の下げには慎重な姿勢も。
欧州通貨売り円買いの流れには警戒したいところ。特にユーロ圏は第1四半期の景気鈍化懸念が重石。イタリア新政権の不透明感も加わり、対ドル、対円でやや頭の重い展開が続きそう。
新興国通貨特にトルコリラへの警戒感も継続しており、無理は禁物な展開が続く。
【本日の戦略】押し目買いも無理をせず
いったん109円を割り込むなど、調整が強まっている。
戻りも鈍くなっており、109円40/50銭近辺が重い。突っ込んだ売りに回る局面には見えず。基調は押し目買いも週末ということも加味すると、無理をしたい局面ではない。
デイトレも買いからの回転で109円近辺からを狙いたいが、勢いと重さを見極めながら。
※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません