ドルの調整意識、いったん戻すも議事録後軟調
忙しい人のサマリー
ドルの調整意識、いったん戻すも議事録後軟調
リスク警戒の動きも続く、ユーロは新政権への警戒も
トルコ中銀、緊急利上げ。リラ安を防衛へ
【東京市場】調整が優勢、一時110円30銭台
ドル円が110円30銭台を付けるなど、ドル高に対する調整の動きが強まった。
前日の海外市場ではロンドン市場で111円台を付けた後、値を落とす展開に。大きな材料が出たわけではなく、ポジション調整の動きなどが優勢となった。
その後東京朝を迎えてドル売り円買いが加速した。7時過ぎにトルコリラが急落。ドルリラが4.67近辺からすぐに4.82を付けるいわゆるフラッシュクラッシュ的なリラ売りが見られ、トルコリラ円も23円70銭近辺から23円割れに。その後値をある程度戻したがリラ安の流れは継続しており、新興国通貨市場への警戒感からリスク警戒の円買いを誘った。
北朝鮮情勢もドル円の重石となった。NY市場で報じられたトランプ大統領の米朝首脳会談の実現に懐疑的な見方に対して、警戒感のドル売りが広がった。
ユーロドルは1.17台後半でのもみ合い。NY市場でドル安から1.17台後半で堅調な動きとなり、朝方1.1790近辺まで上昇も、その後はリスク警戒の円買いが強まっており、ユーロ円でのユーロ売り円買いもあって若干頭の重い展開に。
【ロンドン市場】調整さらに進み109円60銭近辺へ
円買いの動きが強まり、ドル円は109円60銭割れまで下落。
ユーロ円なども値を落とす展開で、ユーロドルが1.17を割り込むなど、ドル安ではなく、いったんは円高が進行している。
米朝関係やイタリア新政権で新首相指名が滞っていることなどが、リスク警戒の動きを誘った。
ポンドは注目されたCPIが弱く、一気に売りが出る展開に。
元々弱かった前回値と横ばい見込みがさらに鈍化する数字に、今年後半の利上げ期待が後退する展開に。
リラ売りが加速。東京朝の下げからいったんは落ち着いていたが、ロンドン朝に売りが加速し、東京朝の水準を超え、ドルリラは4.92台半ばへ
【NY市場】FOMC議事録でドル重い、トルコは緊急利上げ
いったん調整の動きでドル円は110円30銭近辺まで回復。行き過ぎ感もあって、いったん大きく値を戻す展開に。
もっともFOMC議事録を受けて再びドル売りで110円ちょうど近辺でのもみ合いに。
内容はほぼ事前予想通りで、次回6月の利上げにも前向きとなったが、インフレの緩やかなオーバーシュートを肯定したことなどが、利上げペースの加速期待を後退させる形でドル売りにつながった。
トルコ中銀は緊急利上げを実施。
現在実質上の政策金利として取り扱われている後期流動性金利について、13.50%から一気に3.00%引き上げて16.50%とした。
声明では物価安定のため強力な金融引き締めを決めたとしている。
この結果を受けて、一気にリラ買いが進み、火曜日朝のリラ安の加速が始まる前の水準まで値を戻した。
【本日の見通し】調整意識もドル買い継続
いったん調整が大きく進んだ後を受けての展開。
流れはまだ上方向で、あくまで調整という意識が強い。
昨日のFOMC議事録はほぼ想定内も、インフレの緩やかなオーバーシュートであれば、有益な可能性が指摘されるなど、今後の利上げペースについてはゆっくりとの姿勢が意識された。
これによりドルは若干売りが出る格好に。
こうした流れをうけて、ドル円は頭の重い展開が見込まれるところ。
もっとも、中期的な流れは変わらず、下がったところでは買いが出る展開に。
【本日の戦略】109円台での押し目狙い
109円台はいったん買いに回りたいところ。
もっとも、109円50銭を割り込むようだと、方向性が見えにくいだけに、
いったん様子見の動きも。
デイトレは110円ばさみのレンジ取引が基本となりそう。
頭の重さを確認しながらの展開か。
※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません