【今週の注目】前回は利上げ見通しを後退させた英物価統計、さて今回は
英中銀は今年の利上げに踏み切るか?
順調な利上げペースに入っている米国に対し、その他の国での利上げや量的緩和の縮小など、緩和姿勢の後退がいまいち進みません。
比較的順調な英経済動向もあって、英中銀に関しては一時今月の利上げが強く期待されていましたが、4月に発表された3月の英物価統計、特に消費者物価指数の弱さをきっかけに、その他指標の弱さもあって、期待が後退。実際に据え置きとなりました。
また、据え置きと同時に発表された四半期インフレ報告において、今年の経済成長見通しや、今年から2020年にかけての物価見通しが引き下げられたことで、当面の利上げ期待が後退。
従来慎重姿勢が目立ったカーニー総裁が一転して今年の利上げの可能性に言及するなど、物価動向などを受けて金融政策見通しが揺れている状況です。
その利上げ見通し後退の最大の材料となったのが、前回の英消費者物価指数(前年比)の弱さについて。
インフレターゲットの対象である同指標は、一時許容上限である3%を超える勢いを見せていましたが、前回3月分の同指標は予想を下回る+2.5%まで鈍化。ターゲットの2.0%はまだ超えていますが、一時の上昇傾向が一服と見られ、利上げを急がない雰囲気が広がりました。
今回は+2.5%と、前回と同水準の伸びが見込まれています。前月比では前回よりも強めの予想となっており、前年比も予想を超えてくると、年内の利上げへの期待が広がりポンド買いの動きも期待されるところです。