【来週の注目材料】現状維持見込み同様も、今後への期待感<日銀会合>
各国の金融政策動向が2018年の大きなテーマとなる中で、来週は日銀金融政策決定会合とECB理事会が開かれます。
元々はともに波乱なく現状維持が見込まれていましたが、ここに来て期待感が広がる展開となり、ドル全面安の流れを誘う材料となっただけに注意したいところです。
まず、今日は日銀、明日はECBを見ていきましょう。
22日、23日の日銀金融政策決定会合に関しては、黒田総裁などから繰り返し現状の長短金利操作付質的量的緩和の継続姿勢が示されており、市場を動かす要素は本来は殆どありません。
9月の就任以降、より積極的な緩和を求めて反対を続ける片岡委員が今回も反対に回るとみられますが、現状から見て、大勢の意見がさらなる緩和側に寄るという見方もほとんど無く、現状政策の維持見込みが濃厚となっています。
しかし、市場では今年中の出口戦略に向けた動きへの期待感が強く、海外勢を中心に一部で何らかの変化への期待感があるようです。
そうした期待を誘った要因が、今月9日の日銀による中長期国債買い入れオペ(買いオペ)減額です。
残存額10年超25年以下と、25年超の超長期国債が、ともに100億円、計200億円減額されたことが、ステルステーパリング(市場に告知しない形での量的緩和後退)の懸念を誘い
円買いにつながりました。
IMM通貨先物市場での円売りポジションの積み上がりなど、円売りの調整が入りやすいタイミングであったということもあり、ドル円はこのオペ減額をきっかけに大きく円買いが進みました。
また、今回の日銀金融政策会合は、結果などとともに経済・物価情勢の展望(展望レポート)が公表される回にあたっています。
(年8回の日銀会合のうち通常1月、4月、7月、10月の4会合で発表)
好調な経済指標結果などを受けて、前回(2,017年10月の会合で発表)に比べて、経済成長率見通しをが引き上げられる見込み。
好調な輸出などが日本経済を支えています。
この経済成長率見通しの上方修正期待が、
出口戦略期待に繋がった面もあります。
もっともこうした経済成長期待に加え、原油高などの外部要因にも関わらず。物価見通しはそれほど変わっておらず、当面は出口戦略への動きは期待薄。
会合後の会見も大きな変化はない思われますが、海外勢が前向き姿勢への変化を期待しているようだと、円買いもありそうです。
minkabuPRESS編集部 山岡和雅
執筆者 : MINKABU PRESS
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