米株の調整が続く中、ドル円も売り優勢に=NY為替前半
きょうのNY為替市場はドル売りが優勢となっている。朝方発表の米生産者物価指数(PPI)は予想を上回る内容となったものの反応は一時的に留まっており、ドル売り圧力が依然として根強い。FRBの利上げ期待は強いものの、米税制改革への不透明感やインフレ鈍化への懸念がドルの上値を抑えている状況に変化はない。
ドル円はNY時間に入って売りが強まり、ストップを巻き込んで一時113.30付近まで下げを加速。米株式市場の調整売りが続いており、ダウ平均が一時160ドル超の下げとなる中、ドル円も売りが強まった格好。トレンドはまだ上昇傾向にあるものの、113円をブレイクしてくるようであれば、黄色信号が点滅しそうだ。明日は10月の米消費者物価指数(CPI)や小売売上高の発表が予定されており、その反応が注目される。
目先の下値サポートとしては前日安値の113.25付近と、先週の安値113.10付近が意識される。
きょうの主役は何と言ってもユーロ。ロンドン時間に発表になったドイツの7-9月期のGDP速報値が強い内容となったことをきっかけにユーロは買い戻しが強まっている。ECBは足元の低インフレから慎重姿勢が強調しているものの、景気回復には自信を示している。きょうのGDPはそれを裏付ける内容となっておりユーロをサポートしている。
ユーロドルは1.17付近の売りを一気にこなし、ストップを巻き込んで1.1785付近まで上昇。きょうの動きで21日線を回復しているが、米税制改革への不透明感などもありドルが軟調な中、再びユーロにフローが集まるか明日以降の動きが注目される。
minkabu PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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