【これからの見通し】週明けはひとまずドル売り一服で取引開始、今週は米PPIと小売売上高
【これからの見通し】週明けはひとまずドル売り一服で取引開始、今週は米PPIと小売売上高
週明けのオセアニア・東京市場は、先週末のドル売りの動きがひとまず一服して取引を開始している。ただ、先週後半に146円付近から138円台まで大幅に下落したドル円相場は、週明けには反発しているものの140円には届かず。依然として下方向の流れを維持しているようだ。
きょうはユーロ圏鉱工業生産指数(9月)が発表される程度で、際立った経済統計の発表は予定されていない。先週は米消費者物価指数の伸びが市場予想を下回ったことが強烈なドル売りを巻き起こしたが、今週はどうか。あすには米生産者物価指数、あさってには米小売売上高、週末には米中古住宅販売件数などが発表される予定。事前予想では、生産者物価指数は前回から若干の伸び鈍化、小売売上高は前回からの上昇が見込まれている。中古住宅販売件数はかなりのペースダウンが予想されている。
また、ドルの相手先通貨として注目されるのが、今週はポンド相場となりそうだ。水曜日には一連の英物価統計が発表される予定。消費者物価指数のヘッドラインの伸びが前月比、前年比ともに加速する見込みとなっている。生産者物価指数はインフレ加速が一服する予想だが、小売物価指数は一段と加速する見込み。米国の物価動向と対照的な結果となれば、ポンド買い・ドル売りの動きが広がる可能性が高まる。17日にはスナク英政権が発足し、中期財政計画が発表される。所得税の最高税率引き上げ検討などが事前に報じられており、トラス前政権とは真逆の内容となる。単純に英経済に対する信任が得られるのかどうかには疑問符が付く。市場はどのように反応するのか。
足元では、中国株が堅調な流れを続けている。新型コロナ感染拡大が報じられているなかで、中国政府は的を絞った形でゼロコロナ政策からの脱却を模索しているとの思惑が広がっているようだ。きょうは大規模な不動産支援策への期待が広がっており、香港・上海市場では不動産株が高騰している。また、半導体関連株も好調のようだ。人民元高・ドル安の動きが強まっており、側面からドル売り圧力を支えている。
今日の発言イベント関連の予定は、パネッタECB理事、センテノ・ポルトガル中銀総裁、デギンドスECB副総裁、ナーゲル独連銀総裁などECB当局者らの講演やイベント参加が多い。ブレイナードFRB副議長が経済見通しについて講演を行う。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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