英中銀は根強いインフレか住宅ローン危機かの選択を迫られる可能性=NY為替
ポンドドルは前日の急落からの買い戻しが見られてはいるものの、1.08ドル台に入ると上値が重くなるようだ。一部からは、1.0850ドルに重要なレジスタンスが形成され始めているとの声も聞かれる。一方、下値は1985年の安値1.0520ドルが意識され、その水準を再びブレイクすれば、前日の過去最低を再び試す可能性があるという。逆に1.0850ドルを突破した場合、1.11ドルちょうどや1.1350ドルへと買戻しを拡大する可能性もあるとしている。なお、前日はバランスを崩し、1.0350ドル付近まで急落していた。
金融市場が英政府の経済政策への信頼に疑念を強めており、ポンドは不安定な動きとなっているが、その中で英中銀は利上げサイクルを加速させるとの見方が強まっている。前日のベイリー英中銀総裁は、市場の一部で囁かれた緊急利上げには消極的な見解を示したが、市場は11月の金融政策委員会(MPC)での大胆な利上げを見込む声が大きくなりつつある。
そのような中で英中銀は根強いインフレか住宅ローン危機かの選択を迫られる可能性があるとの指摘も聞かれる。英中銀がもし、6%近くまで政策金利を上昇させればインフレは抑制されるが、その半面、住宅ローンのデフォルトも急増させるという。一方、英中銀が緩やかな利上げを実施すれば、今度はポンドの上値が重くなり、それが輸入インフレを押し上げ、インフレは目標以上の位置で長期化することになるという。
また、多くの家計や企業が金利上昇と更なる物価上昇を警戒し、直ちに支出や設備投資を削減するため、英経済のリセッション(景気後退)は避けられないとも論じている。
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MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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