インフレの鈍化傾向でドルは売り加速も、下値では見直し買いも=NY為替
きょうのNY為替市場でドル円は下に往って来いの展開が見られている。朝方発表になった米生産者物価指数(PPI)が、前日の米消費者物価指数(CPI)に引き続き、インフレの鈍化傾向を示したことで、序盤はドル売りが加速した。ドル円はストップを巻き込んで一時131円台まで下落したが、売りが一巡すると次第に買い戻しが膨らみ、下げを取り戻している。米国債利回りが上昇に転じていることもドル円をサポート。
インフレデータはソフトランディングのシナリオを後押しするものだが、経済とFRBの方向感がまだあいまいな状況下で、いまは市場に大きな方向性を示す時期ではないとの指摘も出ている。
インフレ鈍化を示す新たな証拠により、市場はFRBの利上げ幅が縮小するとの期待を強めている。9月のFOMCでの0.75%ポイント利上げへの期待を大きく後退させており、逆に0.50%ポイント利上げへの期待を高めている。短期金融市場では現在、0.50%ポイントの利上げを行う確率を65%と見積もっており、0.75%ポイントは35%。ただ、「高インフレは若干緩やかになったが、問題はまだ消えていない」との慎重な声も聞かれる。
この2日間のインフレ指標に過度に反応し過ぎで、下値ではドルの見直し買いが出ているのかもしれない。
USD/JPY 132.72 EUR/JPY 137.10
GBP/JPY 162.10 AUD/JPY 94.46
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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