【これからの見通し】前日の米消費者物価指数の鈍化を受けたドル売りは一服、きょうは米生産者物価指数
【これからの見通し】前日の米消費者物価指数の鈍化を受けたドル売りは一服、きょうは米生産者物価指数
昨日発表された7月米消費者物価指数は前年比+8.5%と前回6月の+9.1%から大幅に鈍化した。市場予想は+8.7%程度だった。コア前年比も+5.9%と前回並みの伸びにとどまり、市場予想+6.1%を下回った。市場では米債利回りの急低下とともに、ドル売り反応が殺到した。特にドル円は135円付近から一時132円台割れ目前まで下落した。CMEフェドウォッチでは、9月FOMC会合の0.50%利上げ織り込みが急速に進んで、7割超となる場面があった。
しかし、やややり過ぎ感もあって、その後はドル円は下げ渋り。きょうのアジア市場では133.31レベルの戻り高値をつけている。足元での0.50%利上げ織り込みは58.5%となっている。まだ、4割強は0.75%利上げを織り込んでいる状況だ。
きょうは米生産者物価指数が発表される。それとともに米新規失業保険申請件数の発表も予定されている。生産者物価指数は昨日の消費者物価指数の同傾向の予想となっている。前年比の伸びは10.4%と前回の11.3%から鈍化、コア前年比も7.7%と前回の8.2%から鈍化する見込み。ただ、伸びの鈍化自体は前日の米消費者物価指数の結果で市場は想定済みとなっているだろう。よほどの鈍化とならなければ、前日のドル安に対する調整の動きは入る可能性もあろう。
一方、新規失業保険申請件数の動向にも気を付けたい。2月後半から4月いっぱいまでは20万人割れの水準が常態化していた。労働市場の回復具合が示されていた。しかし、5月以降はじりじりと件数が増加傾向を示してきている。今回の数字についても、市場は増加傾向の継続を予想している。失業保険からは、労働市場の改善が頭打ちとなっていることが示されそうだ。大幅増となるようだと、ドル売りが再燃する可能性もあり注意したい。日本時間午後9時30分は物価と労働市場を両にらみとした市場反応となりそうだ。
この後の海外市場で発表される経済指標は、トルコ経常収支(6月)、南アフリカ製造業生産高(6月)、米生産者物価指数(7月)、米新規失業保険申請件数(07/31 - 08/06)、米失業保険継続受給者数(07/24 - 07/30)、ドイツ経常収支(6月)、メキシコ中銀政策金利発表など。
発言イベント関連では、米30年債入札(210億ドル)が実施される程度。デイリー・サンフランシスコ連銀総裁の講演予定はあすの日本時間午前8時半となっている。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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