英中銀はタカ派姿勢堅持もポンドドルに弱気な見方は依然多い=NY為替
きょうの為替市場は、明日の米消費者物価指数(CPI)の結果待ちの雰囲気が強い中、ポンドドルは1.21ドル台に上昇してNY時間が始まった。しかし、戻り売りに押され1.20ドル台に下落。「英政府が英企業・家庭への電力供給で1月に計画停電を検討」とブルームバーグが関係者の話として報じたことがポンド売りを誘った。
英政府は、冬に寒さとガス不足が重なった場合、産業界や家庭に対して数日間の組織的な計画停電を検討しているという。英政府の合理的な最悪のシナリオでは、緊急用の石炭発電所を稼働させても、ピーク時の需要の約6分の1に相当する電力不足に直面する可能性があるとしている。
英中銀はタカ派姿勢を堅持しており、きょうはラムスデン英中銀副総裁の発言が伝わっていたが、「再び利上げを実施する公算が大きい」と述べていた。過去10年間の量的緩和で積み上げた英国債を最終的に利下げに転じたとしても売却を続けるだろうとも述べていた。市場も利上げ期待を再び高めており、9月に0.50%、11月にも0.50%の利上げを織り込む動きが見られている。
ただ、ポンドドルに弱気な見方は依然多い。ごく近いうちに再び1.20ドルを割り込むリスクも指摘されている。先週の予想外に強かった米雇用統計は、厳しい英経済見通しとは対照的で、さらなるポンドショートの余地があるという。
GBP/USD 1.2094 GBP/JPY 163.19 EUR/GBP 0.8457
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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