【これからの見通し】きょうは経済指標の手がかり少ない、先週からのドル安が継続か

【これからの見通し】きょうは経済指標の手がかり少ない、先週からのドル安が継続か

　週明けは先週から引き続きドルが軟調に推移している。これまで市場は米金融当局の金融引き締め姿勢の強化をテーマにドルを買い進めてきた。しかし、次第に景気をオーバーキルしてしまう警戒感も醸成されてきている。

　先週は小売関連企業の今後の業績見通しが慎重となったことに、市場が敏感に反応していた。目に見える経済統計は１－２ヶ月遅れの数字だが、企業の業績予測は今後の企業戦略にとっては死活問題のものだ。市場が鋭く反応することもうなづける。

　金融当局者からも経済の先行き見通しについて慎重な見方が出てくる可能性があり、注意しておきたい。きょうの発言イベント関連の予定は、デコス・スペイン中銀総裁、ベイリー英中銀総裁、ナーゲル独連銀総裁、ホルツマン・オーストリア中銀総裁、ビルロワドガロー仏中銀総裁、ゲオルギエバＩＭＦ専務理事、ボスティック・アトランタ連銀総裁など。目先のインフレ対応と中期的な経済回復の持続力とのバランスをとることが金融当局者には求められている。

　経済統計の発表は、ドイツIfo景況感指数（5月）、香港消費者物価指数（4月）などが予定されている程度で、米英主要経済統計発表は見当たらない。

minkabu PRESS編集部 松木秀明