ドル円は戻り売りが強まる 利上げに伴う景気への警戒感は根強い=NY為替
きょうの市場はリスク回避の雰囲気を強める中、ドル円は戻り売りが強まっている。円相場は株にらみの展開となっているが、本日のダウ平均は700ドル超反落しており、円相場もリスク回避の円高が強まっている格好。
ドル円は本日の下げで21日線を下放れる動きが見られており、明日以降の動きが警戒される。目先は先週安値127.50円付近が意識される状況。
市場の反応は鈍かったものの、前日のパウエルFRB議長の講演はこれまで以上にタカ派な印象ではあった。当面はFRBの大幅利上げが続くとの見方に変化はない。ただ、現在の市場は利上げ自体の行方以上に、それに伴う景気への影響を警戒している。景気後退やスタグフレーションといった言葉は飛び交う中で、ドル円は次第に上値を重くしているようだ。FRBはインフレ抑制のためにどこまで踏み込むのか。それがはっきりするまで不安定な状態が続くとの指摘も出ている。
一方、日本のインフレは欧米などの主要国と比較すれば、明らかに抑制されている。足元の経済指標からすれば、日銀は引き締めを急ぐ必要はなく、世界経済がさらに不透明になれば、日銀の引き締めへの期待はさらに後退する可能性もある。ただし、その場合のシナリオは円高の可能性も留意される。
USD/JPY 128.18 EUR/JPY 134.62
GBP/JPY 159.03 AUD/JPY 89.66
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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