円買い・ドル買いが優勢、欧州株安などリスク警戒で=ロンドン為替概況
円買い・ドル買いが優勢、欧州株安などリスク警戒で=ロンドン為替概況
ロンドン市場は、円買いとドル買いが優勢。欧州株や米株先物が下落しており、リスク警戒の動きとなっている。東京市場で米10年債利回りが1.85%まで上昇。また、米5-30年債利回り格差が昨年3月以来の縮小となるなど、米早期利上げ開始観測が根強いことが背景。ドル円は日銀の緩和継続姿勢を受けて東京市場で一時115.06レベルまで上伸したが、ロンドン時間に入ると売りに押され、114.50近辺まで押し戻された。クロス円も軟調で、ユーロ円は130.50割れ水準、ポンド円は一時156円台割れまで下落。ドル買いの圧力もみられており、ユーロドルは1.1380台、ポンドドルは一時1.36台割れまで下落している。黒田日銀総裁は決定会合後の会見で、利上げの議論はまったくしていない、と明言。9-11月英ILO失業率は4.1%へ一段と低下も、市場からは人手不足を懸念する見方もでていた。1月独ZEW景況感指数は51.7と前回の29.9から急回復。新型コロナ収束後の回復を期待する結果だった。
ドル円は114円台後半での取引。東京市場では日銀金融政策決定会合の発表後に一時115.06レベルまで高値を伸ばす場面があった。その後は、上値が重くなり、欧州株や米株先物が下落したことを受けてロンドン時間には114.50付近まで押し戻された。黒田日銀総裁会見では緩和政策維持の姿勢が前面に打ち出されていたが、ロンドン勢は円売りにはほとんど反応しなかった。
ユーロドルは1.13台後半での取引。東京市場で1.14台割れから1.1385近辺まで下落したあと、ロンドン序盤には1.14台挟みの水準にしばし落ち着いた。しかし、取引中盤にかけては再び売りが強まり、安値を1.1382レベルまで再び更新している。ユーロ円はドル円とともに下落。131円ちょうど付近から一時130.50割れ水準まで下押しされている。独ZEW景況感指数が大幅改善したが、ユーロ買いの動きが限定的。その中で、対ポンドでのユーロ買いの動きが目立っていた。
ポンドドルは1.35台後半での取引。ロンドン序盤の1.3650近辺での揉み合いを下放れると、取引中盤には1.36台割れから1.3586レベルまで安値を広げている。ポンド円は156.80近辺が重くなると、156円台割れから155.80近辺まで安値を広げている。ユーロポンドは0.8350付近から0.8380付近へと上昇。ポンド安の動きとなっている。9-11月英ILO失業率は4.1%へと再び低下し、雇用者数も増加しているが、市場では人手不足が深刻との声もでていた。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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