インフレがECBの目標を上回る状況では、QE継続の正当化は難しい=NY為替
先ほどから為替市場はドル買いが強まっており、ユーロドルは失速。パウエルFRB議長の議会証言が行われており、それに敏感に反応しているようだ。議長は「インフレに関する一過性の表現を止める時が来た」と述べたほか、「数カ月早い資産購入ペース縮小終了を検討可能」とまで述べた。これまでよりもかなりタカ派にシフトした印象が強く、FRBの早期引き締め期待からドル買いが再び強まっている。
きょうの市場はオミクロン株への警戒感を再び強めており、ユーロドルは買い戻しが膨らんでいた。オミクロンをきっかけに、積み上がっていたショートポジションの巻き戻しを強めているようだ。一時1.13ドル台後半まで上昇していたが、パウエル議長の証言を受けて一気に1.12ドル台に戻している。
ロンドン時間に11月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値が発表になっていた。予想以上に急上昇し、総合指数で前年比4.9%、コア指数で2.6%まで上昇している。前日はドイツ消費者物価指数(HICP)が発表されていたが、92年以来の最高水準となっていた。
きょうのインフレ指標を受けて一部からは、ユーロ圏のインフレは来年も大半の期間で、ECBの目標である中期的2%を遥かに上回って推移することが予想される。これからすると、ECBが量的緩和(QE)プログラムを継続し、2023年以降までの利上げ延期を正当化することはさらに困難なるという。
ユーロ圏消費者物価指数・速報値(11月)19:00
結果 0.5%
予想 0.1% 前回 0.8%(前月比)
結果 4.9%
予想 4.5% 前回 4.1%(前年比)
結果 2.6%
予想 2.3% 前回 2.0%(コア・前年比)
EUR/USD 1.1277 EUR/JPY 127.88 EUR/GBP 0.8515
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。