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【来週の注目材料】米国の早期利上げに影響も~米雇用統計

経済指標 

 11月からテーパリングを開始した米FRB。市場の次の焦点は、いつ利上げが開始され、どの程度のペースで続くのか。早期の利上げ期待が広がる中で、カギを握るのが、米FRBの2大命題である「雇用の最大化」と「物価の安定」です。

 新型コロナウイルスの感染拡大以降、世界的に景気を支えるという動きにフォーカスが当てられ、中央銀行は政策金利を引き下げ、量的緩和を実施してきました。その後、ワクチン接種の進展とともに、ある程度感染拡大が抑えられてきたことや、物価高の勢いが加速する動きを見せていることから、各国とも引き締めを意識する展開に。
 G10通貨ではノルウェーとニュージーランドが今秋に利上げに踏み切りました。ECBが9月に債券の購入額を減額、米国も11月に減額を決めるなど、量的緩和の調整が進む中で、主要国でも利上げに向けた動きが広がるかどうかが注目されています。

 11月24日に発表された10月の米PCEデフレータは前年比+5.0%、コア前年比+4.1%という高い水準に。11月10日に発表済みであった米消費者物価指数が前年比+6.2%という高い水準を示していたこともあり、サプライズ感はありませんでしたが、インフレターゲットである2.0%を大きく上回る数字に、利上げ期待を支える格好となりました。

 一方で米国の雇用も堅調です。11月5日に発表された10月の米雇用統計は、非農業部門雇用者数が53.1万人増と、事前予想の45.0万人増を上回る好結果に。9月の数字も速報時の19.4万人増から31.2万人増に大きく上方修正されました。前々月の数字も改定値から上方修正されており、過去2か月分で約25万人の修正と、力強い数字を示しました。失業率も9月の4.8%から4.6%に低下。事前予想の4.7%も下回る結果となっています。

 非農業部門雇用者数の内訳を見ますと、レジャー&ホスピタリティ部門が16.4万人増としっかりと伸びています。同部門のうちレストラン・バーなどの飲食部門とホテルなどの宿泊部門を合わせた部門が14.3万人増となっており、新型コロナウイルスの感染拡大の影響が後退している状況が見られました。

 小売部門が3.5万人増、在宅介護などが含まれるヘルスケア&社会福祉部門が4.7万人増と力強い数字となっていることも、新型コロナウイルスの感染拡大が懸念される中で影響を受けた部門だけに、明るい兆しです。

 製造業は6万人増。運輸・倉庫部門が5.4万人増となりました。製造業の中では自動車及び同部品が2.8万人増となっており、運輸・倉庫部門の増加と合わせ、サプライチェーン問題で雇用の伸びが鈍化していた部門に、力強さが戻ってきたという印象です。

 今回もこうした状況が続くと期待され、力強い雇用増が見込まれます。ここのところ力強い雇用の回復を示しているとはいえ、雇用者数でみると、パンデミック前の2020年2月の1億5252万人に対して、直近で1億4832万人と約400万人も雇用者が少ない状況だけに、大きく伸びる余地は十分にあると見込まれています。

 関連指標では1日に発表される11月のADP雇用者数と同ISM製造業景気指数及び2日に発表される週間ベースの新規失業保険申請件数に要注意です。

 10月のADP雇用者数は前月比57.1万人の大幅増となりました。9月の数字が米雇用統計と比べてかなり高かった分、反動が出るのではとの見方から、事前予想は40万人増となっていましたが、それを大きく超える好結果を記録。その後10月の米雇用統計本番も強く出ました。
 
 今回も52.3万人増と前回からはやや伸びが鈍化も、予想通りの結果が出れば、3か月連続での50万人超えという好結果が見込まれています。

 10月のISM製造業景気指数は9月の61.1からは鈍化も、事前予想の60.5よりは強い60.8となりました。60を超える高水準を維持しており、製造業の景況感の力強さが印象的となりました。

 ただ、内訳のうち目立ったのが入荷遅延と在庫。これらの部門の上昇は好景気下でも起きますが、前回に関してはサプライチェーン問題が影響しているとみられますので、見かけほどの強さはないかもしれません。ただ、雇用部門の数字が52.0と3か月ぶりの高水準となったことは好印象でした

 今回も61.0と力強い数字が期待されています。雇用部門の数字と合わせ好結果を記録すると、雇用統計本番への期待が強まります。

 週間ベースの新規失業保険申請件数は、24日に発表された11月14日から20日分が、事前予想の26万件を大きく下回る19.9万件となりました。11月7日から13日分の27万件から7.1万件もいっきに減少。パンデミック後どころか、1969年以来となる低水準なりました。季節調整のゆがみが原因の可能性があり、その場合2日の指標で反動が出る可能性があります。事前予想は25万件と前回からは悪化も、パンデミック後で見ると前回に次ぐ少なさということもあり、好結果が見込まれています。事前予想通りもしくはより強い数字が出ると、2日の雇用統計本番への期待も強まりそうです。

 雇用統計、特に非農業部門雇用者数が、事前予想通りもしくはそれ以上の強めの数字となると、再びドル買いの流れに。ドル円は再び115円を試すような動きも期待されます。

MINKABU PRESS 山岡和雅

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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