リスク回避の円買いと、米利上げ開始時期の後ずれ観測のドル売りが交錯=ロンドン為替概況
リスク回避の円買いと、米利上げ開始時期の後ずれ観測のドル売りが交錯=ロンドン為替概況
ロンドン市場では、円買いとドル売りが交錯。東京時間に報じられた感染力の強い新たな新型コロナ変異株に対する不透明感がリスク回避の動きを広げている。各国で発生地域との渡航制限や禁止措置が発表されており、経済活動の停滞が懸念されている。欧州株や米株先物が大幅安となり、原油相場も下落。一方で、米債利回りが低下しており、ドル売り圧力となる面もあった。金融市場での米早期利上げ観測が後退しており、来年6月の利上げ観測が後ずれ、来年2回目の利上げ観測も23年に後ずれしている。為替市場では、豪ドルなど資源国通貨が弱く、対ドルでは一時0.7110近辺まで、対円では一時81円台割れまで下落した。ポンドドルは1.3280近辺まで下落も、その後は1.33台前半に反発。ポンド円は151円近辺まで下げたあとは152円を挟む展開に。ユーロドルは底堅く推移して1.12台前半から1.13手前へと上伸。ユーロ円は128円手前まで下押しされたあとは128円台半ばへと下げ渋り。ドル円は安値を113.66レベルまで広げた。ユーロドルとともに週初からのドル買いの動きを戻している。
ドル円は113円台後半での取引。新たな新型コロナ変異株への不安感がリスク回避の円買い圧力となるとともに、金融市場では米早期利上げ観測が後ずれしてきておりドル売り圧力が交錯している。ロンドン序盤に114円台割れとなったあと、一時113.66レベルまで下落。その後の反発は今日のレンジ半値水準114.50付近で抑え込まれ、再び113円台に下押しされている。
ユーロドルは1.12台後半での取引。リスク回避動向が強まるなかでは比較的底堅く推移。1.1220付近から取引中盤には1.13手前まで上昇している。ほぼ週前半の下落を消している。米早期利上げ観測が後ずれしてきており、ドル売り・ユーロ買いの動きを誘発しているようだ。ユーロ円はリスク回避の円買いに押されて128.06レベルまで下押しされたあとは、ユーロドルの上昇とともに128円台後半から半ばでの取引に落ち着いている。
ポンドドルは1.33台前半での取引。序盤には欧州株や米株先物の大幅安とともに原油相場が崩れたことに反応。一時1.3280近辺まで下落した。しかし、その後は米早期利上げ観測の後ずれとともにドル売りに下支えされて1.3340近辺まで反発している。ポンド円は151.10近辺まで下落したあとは152円を挟む水準での取引に落ち着いている。ユーロポンドはユーロ買いが優勢。0.8440付近から0.8480付近まで上昇した。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。