ドル円は114円台を回復 ユーロドルは21日線付近まで下落=NY為替概況
きょうのNY為替市場はドル買いが優勢となる中で、ドル円は114円台を回復した。米企業決算が本格化している中で米株が最高値を更新していることもドル円をサポート。先週につけた直近高値が114.70円付近にあるが、目先の上値メドとして意識される。
今週は28日木曜日に第3四半期の米GDP速報値、そして、金曜日に9月のPCEデフレータが発表される。一部からははドルの方向性を探るにはGDPよりもむしろ、コアPCEデフレータの方が重要になるとの声も聞かれる。PCEデフレータはFRBのインフレ参照指標だが、コア指数は、前年比3.7%が見込まれており、高水準を付けると見られている。それに伴う利上げ期待の高まりがドル高を後押しする可能性があるという。
なお、GDP速報値については個人消費と純輸出の軟化により、前期比年率換算で2.7%と第2四半期の6.7%から大きく鈍化することが見込まれている。ただ、予想通りにGDPが鈍化したとしても、インフレが高ければ、資産購入ペース縮小の期待は損なわれないと指摘した。
ユーロドルは1.16ドルを下回る動きを見せた。21日線を一時下回る場面も見られ、水準を維持できるか注目される。今週28日にECB理事会が予定されているが、ラガルド総裁が会見で、ここ数週間の欧州債利回り急上昇を受けての将来の資産購入について記者から質問を受ける可能性がある。ただ、それについては今回よりも12月の理事会で議論される可能性が高く、これらに関する質問への回答をそらす可能性があるとの指摘も聞かれる。一方、理事会が最近の利回り急上昇を懸念している場合には、総裁は債券購入ペースを加速させる可能性も示唆することも考えられるという。
ポンドドルも戻り売りに押された。ロンドン時間には1.3830ドル付近まで上昇していたものの、NY時間に入って1.3770ドル付近まで値を落とす展開。ただ、1.38ドル台半ばに来ている200日線には慎重なものの、10月に入ってからのリバウンド相場の流れに変化はないようだ。対ユーロや円に対しては上昇しており、ポンドは力強い動きを続けている。
市場には欧米の企業決算を通じてポジティブ雰囲気が広がっている。欧米の株式市場も最高値を更新する中でポンドは堅調な展開を維持している。リスク選好の雰囲気はポンドをサポートする傾向があるが、市場は英中銀の利上げは時間の問題であるとますます確信しているようだ。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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