【中銀チェック】ECBは現状維持見込み~ECB理事会
金融政策自体は現状維持が見込まれています。注目は声明や理事会後のラガルド総裁会見で示される今後に向けた姿勢。
市場は来年3月で終了するPEPP(パンデミック緊急購入プログラム)の後に向けた動きのヒントを出してくるのではという期待が広がっています。
現時点ではPEPP終了後は、通常の資産購入プログラム(APP)の規模拡大や柔軟性拡大によって景気支援を続ける姿勢を示すのではと期待されています。
ただ、世界的に物価上昇が進み、金融引き締めに向けた動きが強まる中、APPの拡大には慎重姿勢も見られます。ラガルド総裁がどのような姿勢を示すのかが注目されるところです。
なお、ECBの中でもタカ派(インフレファイターの姿勢が強く、金融引き締めに積極的な姿勢)の筆頭格であるドイツ連銀のバイトマン総裁が
今週、年内での退任を公表しました。
後任人事は未定で、現在連立交渉が行われているドイツの新政権樹立後に指名されることになります。新政権に向けた動きは、先月のドイツ連邦議会選挙で第1党となった社会民主党(SPD)を中心とした、緑の党、自由民主党(FDP)の三党連立交渉が一歩リードしており、先週三党による政策合意書が公表されました。
従来よりも左派寄りの新政権が樹立する可能性が高まる中、より緩和的な姿勢を持つ総裁が指名される可能性があり、今後のECBの政策運営にも影響が出ると思われます。
ラガルド総裁にとっては自身のハト派的な姿勢が強化される流れに。この辺りも計算に入れた総裁の会見に要注目です。
MINKABU PRESS 山岡和雅
執筆者 : MINKABU PRESS
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