【これからの見通し】ドル円が底堅く推移しそう、株式動向が落ち着き
【これからの見通し】ドル円が底堅く推移しそう、株式動向が落ち着き
ここ1カ月間で5円超と急ピッチの上昇となったドル円相場だが、115円の心理的水準を目の前にしてやや神経質な動きもみられている。原油高などエネルギー価格上昇や物流のボトルネック、人手不足など複合的な材料で「インフレ警戒」が高まっている。
米国では11月FOMCでテーパリング開始が市場のコンセンサスとなっている。今週は英中銀が11月もしくは12月には利上げすることを、英短期金融市場が織り込んできている。インフレ警戒・各国中銀の金融緩和も巻き戻しなどが株式市場に対する調整圧力となっている。
しかし、足元では株式市場は再び騰勢を強めてきており、リスク警戒の動きも一巡しているようだ。ドル円相場にとっては金利高とリスク選好の両面からサポートされやすい状況となっているようだ。売りをこなしながら115円の心理的水準を試す動きがみられそうだ。
ロンドン市場ではポンド相場にも注目したい。英経済は強弱材料が交錯しており、不安定な面が強い。しかし、高インフレに英中銀が対応してくる可能性が高まってきている。ポンド相場は上昇軌道に乗っており、大きな調整が入りにくい展開になっている。ポンドドルにとっては1.4000レベル、ポンド円にとっては160.00レベルといったキリの良い水準が上値のメドとなりそうだ。
この後の海外市場で発表される経済指標は、ユーロ圏経常収支(8月)、ユーロ圏消費者物価指数・確報値(9月)、南アフリカ消費者物価指数(9月)、米MBA住宅ローン申請指数(15日までの週)、カナダ消費者物価指数(9月)など。原油関連では米週間石油在庫統計が発表される。
発言イベント関連では、ビルロワドガロー仏中銀総裁、エルダーソンECB理事、ホルツマン・オーストリア中銀総裁、ビスコ伊中銀総裁などECB高官の予定が多い。米国では、シカゴ連銀総裁、アトランタ連銀総裁、ミネアポリス連銀総裁、セントルイス連銀総裁らがミネアポリス連銀主催イベントに参加する。クオールズFRB理事が経済見通しについて講演を行う。NY午後には、米地区連銀経済報告(ベージュブック)が公表される。米20年債入札(240億ドル)が実施される。米主要企業決算予定は、テスラ、IBM、ベライゾン、バイオジェン、ラスベガスサンズなど。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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