リスク回避の雰囲気一服 午後にFOMCの結果発表=NY為替
きょうの市場はリスク回避の雰囲気が一服しており、ドル円も109円台半ばに下げ渋っている。中国不動産大手、恒大集団が23日に予定している社債の利払いを履行すると発表したことでひとまず安心感につながった模様。中国人民銀行が短期資金供給を増やしたことも悲観を後退させた。
23日に履行される利払いの規模は2億3200万元(約39億円)だが、恒大は23日以降、社債の利払いなどが相次ぐ。恒大集団の6月末時点の負債総額は1兆9665億元(約33兆円)の規模に上り、今回は乗り切ることができたとしても、経営破綻への不安感が完全に払拭できるかは不透明とみられている。今回の信用不安が他の中国不動産会社や金融機関に波及し、中国経済の急速な収縮に繋がってしまうのか、市場は警戒している。
きょうは現地時間午後2時(日本時間23日3時)にFOMCの結果が公表される。市場はFRBが資産購入ペース縮小をいつ開始するのかに注目しているが、今回はその発表はないと見られている。しかし、次回の11月か12月、いずれにしろ年内には開始との見方が多い。声明のフォワードガイダンスを変更して年内開始を示唆するのではとの予想も出ている。
しかし、開始時期よりも、「資産購入ペース縮小の場合のスピード」と「次に来る利上げ開始が22、23年どちらなのか」という点のほうが注目だという。資産購入ペース縮小のスピードについては、FOMCメンバーの一部からは来年第1四半期までの終了が望ましいとの発言も出ているが、現状から考えれば、2014年の時と同様に10カ月程度に及ぶのではとの見方も少なくない。一方、利上げ開始については、今回のFOMCではFOMCメンバーの金利見通し(ドット・プロット)が公表される。6月のドット・プロットでは、22年の利上げ開始が18人中7人いたが、若干増える可能性も指摘されているようだ。ただ、いまのところ市場では、23年下期の利上げ開始との見方がコンセンサスとなっている模様。
USD/JPY 109.64 EUR/USD 1.1735 GBP/USD 1.3646
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。