確率は上下同程度に 感染再拡大への警戒感は一服も、上値にもまだ慎重
※今週から8月末、9月末の確率でお伝えします
今週の市場は週初こそ先週の流れを引き継いでリスク回避の雰囲気が強まった。一応の説明では、デルタ株により感染が再拡大しており、景気が想定通りに回復しないリスクを市場は警戒し始めたとなっている。株安、原油安、そして、特に米国債利回りの急低下がドル円を圧迫。週初は109.05円付近まで下落し、109円割れを試す場面がみられた。
市場も現在の水準が適正なのか、迷いが強まったのかもしれない。しかし、一旦売りが収まると、今度は買い戻しが強まり、元の位置に戻そうという動きが週後半にかけて出ている。結局、俯瞰で見れば、夏休みシーズンに向けた、単なるポジション調整のようにも見えた1週間となった。
今週の動きでドル円の確率は前週から上値を上昇させ、下値を低下させている。112円と109円に着目すると、8月末までに112円に到達する確率は前週の34.4%から44.1%に上昇。一方、109円の確率は前週の61.1%から42.2%に低下している。9月末までに109円に到達する確率は前週の70.7%から57.1%まで低下した。ただ、109円と112円の確率は同程度とも言え、どちらにも可能性を見ているといった状態だ。
「感染再拡大への警戒感は一服したものの、上値にもまだ慎重」といった印象だ。
◆来週以降8月31日までに各ポイントを1度でも付ける確率
()は先週末
114円: 7.1%( 5.8%)
113円:19.7%(15.4%)
112円:44.1%(34.4%)
110.55円(週末終値)
109円:42.2%(61.1%)
108円:18.3%(31.9%)
107円: 6.1%(13.6%)
◆来週以降9月30日までに各ポイントを1度でも付ける確率
()は先週末
114円:19.5%(15.4%)
113円:35.4%(28.4%)
112円:57.9%(47.7%)
110.55円(週末終値)
109円:57.1%(70.7%)
108円:34.6%(46.2%)
107円:18.6%(27.1%)
※ドル円のオプション取引から算出
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。