ドル円振幅、米2年債利回り上昇などがドル買いを誘うも、株安などが重石に=NY為替概況
きょうのNY為替市場、ドル円は朝方に米債利回りの上昇などを受けて110円48銭まで上値を伸ばす場面が見られた。その後、米株の大幅安などを嫌気した円買いが入り、一転して110円04銭までと、110円ちょうどを試す展開に。大台を何とか維持した後は110円台前半での推移が続いた。
今週のFOMCでメンバーの見通しがややタカ派となったことで、ドル買いが入りやすくなっていたところに、ハト派で知られるブラード総裁が自身は2022年中の利上げを見込んでいることを表明し、サプライズからのドル買いに。
利上げの影響を受けやすい米2年債の利回りが0.21%前後から0.28%台まで上昇するなど、米債利回りの上昇にもつながった。
しかし、利上げの前倒し期待や早期のテーパリング開始期待は、米株式市場にとってはかなりの重石。ダウ平均が30銘柄すべて下げるなど、株安の動きが広がる中で。リスク警戒の円買いを誘った。また米10年債の利回りが低下し、NY朝の1.52%台を付けた動きから1.44%割れまで下げる中で、ドル売りの動きも強まり、ユーロドルなどでも安値からのユーロ買いドル売りに。
ユーロドルはドル高の流れからロンドン市場での1.1920前後から一時1.1850割れまで下落。その後、ドル高が一服して1.1880台を付けたが、引けにかけてユーロ円の売りなどに1.1850台へ値を落とした。
ユーロ円は株安を受けた円高進行が重石に。ロンドン市場では131円30銭台を付けていたユーロ円は、ユーロ売りドル高にいったん130円80銭台まで値を落とし後、ドル円の上昇もあり131円10銭台を回復も、その後のドル円の下げに130円60銭台まで。その後NY午後の戻りは130円90銭台までと131円を付けきれず、引けにかけて130円60銭台を付けるなど、頭の重い展開となった。
ワクチン接種の進展から行動制限完全解除への期待感が広がっていた英国で、ここにきて変異からの感染拡大が見られ、警戒感が強まっていることもあり、ポンドは大きく値を落とす動きに。ロンドン市場での1.39台からNY午前に1.38を割り込むところまでポンド安ドル高が進行。その後いったん1.3830台を戻したが、引けにかけて1.3795前後とほぼ安値引けに。 ポンド円も引けにかけて値を落とし152円00銭台と、大台は維持したものの安値引けに。
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執筆者 : MINKABU PRESS
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