広告を非表示にする
ad hide img

みんかぶプレミアム会員なら
広告非表示で利用できます

※サイトからのお知らせは除きます

米CPIは強い内容もドル円の上値は重い=NY為替前半

為替 

 きょうのNY為替市場でドル円は上値の重い展開が続いている。この日発表の米消費者物価指数(CPI)が強い内容となったことで、ドル円は買いが強まり一時109.80円近辺まで上昇した。しかし、米10年債利回りが下げに転じたこともあり、ドル円も戻り売りに押されている状況。

 米CPIはコア指数で前年比3.8%、前月比0.7%とインフレ警戒を示す内容となった。先週の米雇用統計の弱さにFRBの早期出口戦略への期待は後退していたものの、きょうの米CPIがFRBのスタンスにどう影響するか再び流動的になっている。ただ、市場の評価は前年からのベース効果とサービス価格が正常化したことが、4月と5月の米CPIの大幅上昇に繋がったとの見方から、市場の反応は冷静だった。ドルや米国債利回りの上げの鈍さから高いCPIを期待してポジションを仕込んでいた向きからの戻り売りが一斉に出ている可能性もありそうだ。

 しかし、見過ごしてはならない持続的なインフレ圧力の証拠もあるとの指摘もある。サプライチェーンやロジスティクスのボトルネック、そして、輸送費や人件費の上昇などの要因がインフレ データに影響を及ぼしており、これは持続する可能性があるという。インフレ圧力が長引くほど、その期待は固定化される可能性が高まり、消費者の間ではすでに起こっているとも感もあるが、インフレが金融市場と実体経済の混乱に繋がる可能性が高まるとの指摘も聞かれる。いずれにしろ、来週のFOMCでのFRBの判断を確認したい雰囲気もあるようだ。

 ユーロドルは1.21ドル台の狭い範囲での値動きに終始。きょうはECB理事会、その後のラガルド総裁会見、そして、米消費者物価指数(CPI)の発表といった重要イベントが同時刻に重なった。ECBはインフレと成長見通しを上方修正しながらも、ラガルド総裁の会見は超緩和的な姿勢を維持することを強調し、バランスをとった格好となった。インフレ率が2%に劇的に上昇したことから、北欧の一部からは、資産購入ペース縮小の主張もあったようだが、ラガルド総裁を始めとするハト派が、今回の理事会では勝利したようだ。ECBはパンデミック緊急購入プログラム(PEPP)を範囲上限まで使用しながら、高ペースの緊急購入を継続する姿勢を強調した。

 今回の決定にユーロも動けず、ユーロドルは1.22ドル手前での上下動に終始している。なお、本日のECB理事会で25名の理事のうち3名が債券購入ペースの減速を主張したとの報道が伝わっている。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

為替ニュース/コラム

一覧を見る

注目ニュース

新着ニュース

ad hide img

みんかぶプレミアム会員なら
広告非表示で利用できます

※サイトからのお知らせは除きます

ad hide img

みんかぶプレミアム会員なら
広告非表示で利用できます

※サイトからのお知らせは除きます

主要通貨レート

直近24時間の重要経済指標

ad hide img

みんかぶプレミアム会員なら
広告非表示で利用できます

※サイトからのお知らせは除きます