【これからの見通し】ポンドの動向に注目、英政治情勢をにらんで

【これからの見通し】ポンドの動向に注目、英政治情勢をにらんで

　先週末からポンド相場の堅調な動きが目立っている。米雇用統計が予想外の低調な結果だったことでドル売り圧力が強まり、ポンドドルを押し上げた。さらに、注目されていたスコットランド議会選挙の結果内容が週末を挟んで報じられており、スタージョン党首率いるスコットランド民族党（ＳＮＰ）が勝利した。ただ、過半数には１議席足りずと、前評判ほどの圧勝劇とはならなかった。一方で、緑の党の票を加えると過半数超えとなる。独立運動はどうなるのか、今後もスコットランド情勢からは目が離せられないだろう。　

　ポンド関連の話題には事欠かない。英中銀政策関連では、先週後半にはブロードベント副総裁が、マイナス金利が逆効果になる可能性が指摘された。銀行のバランスシートに圧力がかかっている点に配慮した発言だった。また、ジョンソン英首相の首相官邸改修費用をめぐる疑惑も現地では大いに注目されているようだ。ややゴシップ・スキャンダル的な取り扱いとなっているようだが、足元をすくわれるようだとサプライズに。

　ただ、ロックダウンからの段階的な脱却が進展するなかで、英経済統計は強い動きをみせておりポンド相場は下支えされている。週末を挟んで急ピッチに買われたポンド相場だが、まずは上値追いの動きが再燃するのかどうか。この後のロンドン市場での動向に注目したい。

　この後の海外市場で発表される経済指標は、比較的少ない。ドイツＺＥＷ景況感指数（5月）、南アフリカ製造業生産高（3月）など。一方で、発言イベント関連の予定は多い。ベイリー英中銀総裁、ウィリアムズＮＹ連銀総裁、クノット・オランダ中銀総裁、ブレイナードＦＲＢ理事、 デコス・スペイン中銀総裁、デイリー・サンフランシスコ連銀総裁、ボスティック・アトランタ連銀総裁、ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁、カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁などの講演やイベント参加が相次ぐ。米３年債入札（580億ドル）が実施される。

minkabu PRESS編集部 松木秀明