ユーロドルは1.20ドル台をしっかりと堅持 6月のECB理事会は紛糾との報道も=NY為替
ユーロドルはNY時間に入って伸び悩んでいるものの、1.20ドル台をしっかりと堅持しており、リバウンドの流れを継続している。前日はバイデン大統領が富裕層へのキャピタルゲイン増税のニュースで市場はリスク回避の雰囲気に包まれた。為替市場はリスク回避のドル買いが優勢となり、ユーロドルは瞬間的ではあるが、1.20ドルを割り込む場面も見られていた。
この日は4月のユーロ圏PMIが発表されていたが、製造業の景況感は統計開始以来の高水準に上昇したほか、落ち込んでいたサービス業も8カ月ぶりに景気判断の分岐点である50を回復した。サービス業は封鎖措置で厳しい状況が続いているが、企業は今後の改善に備えている。一方、製造業は活況。特にサービス業はドイツ以外の国での回復力が寄与した。製造業はドイツ中心に新規受注や生産が力強く推移している。
前日はECB理事会が開催されたが、ECBは慎重姿勢を堅持していた。ラガルド総裁は「パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)下での資産購入ペース縮小の議論はなかった」と述べていた。時期尚早としている。
ただ、ブルームバーグが関係者の話として、PEPP下での資産購入ペース縮小を開始するかどうかについて、6月の理事会は議論が紛糾する可能性を伝えている。6月の協議は遥かに複雑で、熱を帯びたものになる可能性があるという。
一部の理事は、下期に力強い回復が見込まれることからPEPPの縮小を7-9月期に開始すべきだと主張する見込み。一方、ハト派な理事は、購入を1.85兆ユーロの枠内に留めることを約束せず、一層の柔軟性を与えることを求めているという。
ユーロ圏製造業PMI(速報値)(4月)
結果 63.3
予想 62.0 前回 62.5
ユーロ圏非製造業PMI(速報値)(4月)
結果 50.3
予想 49.1 前回 49.6
EUR/USD 1.2070 EUR/JPY 130.27 EUR/GBP 0.8716
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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