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為替相場まとめ4月12日から4月16日の週

為替 

 12日からの週は、ドル売りが優勢だった。米債利回りの上昇が一巡しており、米10年債利回りが節目の1.60%を下回っている。米経済のファンダメンタルズ指標は良好。消費者物価指数、輸入物価指数、小売売上高、新規失業保険申請、NY連銀製造業景気指数など一連の米経済指標の大半は上向いた。しかし、米債利回りの低下の動きには変化はみられず、ドル相場の上値が重かった。米金融当局者からは金融緩和策の継続が強調されており、時期尚早な出口戦略の言及で市場を混乱させたくないとの意向が見え隠れしていたようだ。ドル円は108円台へと軟化。ユーロドルは1.20の心理的水準を試す動き。豪ドル/ドルは0.77台にしっかりと乗せた。豪ドルなど資源国通貨の面がある通貨にとっては、需要見通し引き上げを受けて、原油相場が上昇したことも下支えとなった。その中では、ポンドドルの上昇が鈍い。1.38台に乗せると売りに押される展開が続いた。ユーロポンド相場の下落の流れも一服している。英国が先行したワクチン接種だが、欧州での進展も期待されている。英国自身にとっては5月6日のスコットランド選挙など政治上の不透明感が警戒される面も指摘された。米露や米中などの政治対立の構図も強まっており、来週以降もその動向からは目が離せない。


(12日)
 東京市場は、小動き。ドル円は109円台後半を中心とした取引。上値は109.77レベルまでに限定され、その後に一時109.50台を下回った。ただ、下値も堅く、揉み合いに。ユーロドルは朝方の1.1900を挟んダ揉み合いからややドル買い優勢となり、1.1880台へと水準を下げた。米10年債利回りは小幅に低下したが、1.65%前後までにとどまった。日経平均は上昇して始まった後、マイナスに転じた。米株先物も時間外取引で売りが優勢。リスク警戒のドル買いの面もみられた。

 ロンドン市場は、欧州通貨が堅調。特にポンド買いが優勢に。本日12日から英国では本日12日から小売店舗、パブ、ジム、美容室などの営業が再開された。ただ、屋外での接客に限定されており、屋内での営業開始は来月半ば以降になるとみられている。英国では、他の先進諸国と比較するとワクチン接種が進展しており、ポンド相場の下支え材料となっている。ポンドドルは1.36台後半に下押しされたあとは1.37台後半へと上昇。ポンド円は150円台を回復。ユーロもポンドとともに買いに転じた。ユーロドルは1.18台後半で下押しされたあとは1.19台に乗せた。ユーロ円は130円台割れから130円台前半に戻しており、下に往って来い。ユーロにとっては2月ユーロ圏小売売上高が予想以上に回復したことや、メルケル首相率いる独CDUでラシェット氏を次期首相候補として支持と報じられたことも好感されたようだ。ドル円は上値重く推移。対欧州通貨でもドル売り圧力や序盤に米債利回りが低下したことを受けて、本日安値を109.29レベルまで広げた。

 NY市場では、ドルの戻り売りが続いた。ドル円は一時109円台前半まで下落。21日線(109.55)を再び下回った。ユーロドルは買い戻しが一服しているものの、底堅さも堅持。1.19台での推移が続いた。1.18台に入ると押し目買いが活発にでていた。ポンドドルは買い戻しが優勢となり、5日ぶりに反発。一時1.3670近辺まで下落した。ただ、その後は1.37台に戻し、100日線(1.3690)はサポートされた格好。日曜日のテレビ番組でパウエルFRB議長のインタビューが伝えられ、「米経済は変曲点にあり、今後数か月で成長が加速すると予想しているが、急速な再開が感染拡大につながるリスクもある」と述べていた。週明けの市場の反応は限定的だった。週央以降に米消費者物価指数や米小売売上高の発表を控えて、この日は手掛かり難だった。

(13日)
 東京市場は、ドル買いの流れが強まった。米債利回りが上昇し、10年債利回りが1.70%に迫る水準へと上昇したことに反応。ドル円は109円台前半から後半へと上昇、午後には109.75近辺まで高値を伸ばした。ユーロドルは1.1910台から1.1880台までユーロ売り・ドル買いが進んだ。豪ドル/ドルは0.7630近辺から0.76台割れへと下落。ドルが全面高となった。そのなかでは、ポンドは対ユーロでの買いもあって揉み合い。ユーロ円は130円台前半から半ばへと小幅に上昇。日経平均が上昇しており、リスク選好の円売りの面もみられた。

 ロンドン市場は、ドル円が反落した。序盤は全般的にドル売りの動き。米債利回りの上昇が一服したことに加えて、英GDPや鉱工業生産の回復に反応してポンドドルが買われたことがきっかけ。それに追い打ちをかけたのが、「米国はJ&Jワクチンの接種停止を呼び掛けへ、血栓発生で」とのNYタイムズの報道。米債利回りが一気に下げるとともにリスク回避的な円買い圧力が加わった。ドル円は109円台後半から一時109.10台まで下落。ユーロ円は130円台割れ、ポンド円は150円台割れへと下落している。ポンドドルは序盤に1.37台後半へと買われたが、その後は1.37台前半へと反落し、安値を広げる動き。ワクチン報道が響いた。ユーロドルは序盤に1.18台後半へと下押しされた後、一時1.19台を回復も再び大台割れに。英指標とは対照的に独ZEW景況感指数は予想外の低下となった。ロックダウン措置が消費支出を抑制することが懸念されたようだ。

 NY市場では、ドル売りが優勢。朝方に3月の米消費者物価指数が発表され、総合指数は前年比で2.6%、コア指数も1.7%の上昇と予想を上回る伸びを示した。しかし、発表直後こそ米国債利回りの上昇と伴にドル高の反応がみられたものの、直ぐに戻り売りに押された。ドル円は109.60円付近まで瞬間的に上昇後、109円台前半に押し戻される展開。米30年債入札が好調で利回りが低下していることがドル円を圧迫した面も。ユーロドルは1.19台半ばまで上昇。明日以降、大きな心理的節目の1.20ドルを目指すか注目の展開に。一部からはEUの今後のワクチン展開の加速でユーロドルの下落は抑制されるとの声も出ている。ポンドドルは上値重く、一時1.36台に下落する場面があった。特段のポンド売り材料は見当たらないが、ドルとポンドは対ユーロで同方向に動きやすく、ドル売りとともにポンド売り圧力がかかっていた。

(14日)
 東京市場は、ドル売りが優勢。ドル円ば米債利回りの低下が重石となって109円台割れから108.75近辺まで一時下落した。その後は米債利回り低下の一服で下げ止まったが、109円台は回復せず。ユーロドルはじり高の動きで、1.1950台から1.1965近辺へと水準を上げだ。NZドルが振幅した。NZ中銀は事前見通し通り政策金利と量的緩和の現状維持を決定。声明では従来通りの慎重姿勢を維持した。市場では住宅価格の上昇などを受けて前向きな姿勢を示すとの期待もあったことで、発表直後はNZドル売りに反応がみられた。しかし、その後は上昇に転じた。対ドルは0.7050割れ水準をつけたあとに0.7090台まで買われた。対円も77円台乗せに。

 ロンドン市場は、円安とドル安の動きが先行。欧州株と米株先物が小高く推移し、、売買は交錯もリスク動向は落ち着いている。また、NY原油先物が61ドル台乗せへと上昇し、ポンドや豪ドルには好材料に。しかし、円安・ドル安の流れも続かず、調整に押し戻された。米債利回りが低下一服となったことも影響したようだ。ドル円は109円を挟んでの揉み合い。ユーロドルは1.1970台まで上昇後、1.1950台へと反落。ユーロ円も序盤に上昇も、130.50レベルを付けきれず130.10台まで反落。ポンドドルは一時1.38台に乗せたが、その後は1.3750台へと反落。ポンド円は150.50手前まで買われたあとは150円台割れとなっている。全般に上に往って来いの値動き。その中では、豪ドルは底堅い。対ドル0.76台後半、対円83円台後半に上昇し、高止まりしている。

 NY市場では、ドル売り圧力が続いた。ドル円は下げ一服も109円台に乗せると上値を抑えられている。前日の強い米消費者物価指数の発表後のドル売り反応で、市場のドルに対するセンチメントの低下が示されていた。本日はパウエルFRB議長がNYエコノミッククラブ主催のバーチャルイベントで講演を行っていたが、新たなヒントはなく、これまでの慎重姿勢を踏襲している印象。ユーロドルは買い戻しの流れが持続。1.19台後半へと上昇し、心理的節目の1.20台に接近した。ポンドドルは1.37台後半での推移。一時1.38台を回復も、買いは続かず。英中銀は5月か6月の金融政策委員会(MPC)で、現在の債券購入ペースを年末まで維持できるようにするために、量的緩和の枠をさらに900億ポンド拡大するとの見方がでていた。

(15日)
 東京市場は、小動き。ドル円は108円台後半での推移が続いた。108.80近辺から108.96レベルでの揉み合い。109円は近くて遠い展開だった。ユーロドルは午前に1.1990近辺まで買われ、前日NY市場高値をわずかに更新。その後は、1.1970台へと売り戻された。1.20の心理的水準にはとどかず。豪ドルは午前10時半発表の豪州雇用統計が強めの結果だったことで、買いの反応し示したが、その後は逆に売られている。対ドルは0.77台前半での振幅。対円は84円を挟んで上下動。3月豪州雇用者数は1月に続いて予想を上回る増加となったが、前回と違って正規雇用はマイナスとなり買いがしぼんだようだ。

 ロンドン市場は、ドル売り先行も、続かず。米債利回りの低下とともに、ドル円は108.67レベルまで下落。ユーロドルは1.1993レベル、ポンドドルは1.3809レベルまで上昇。米10年債利回りは1.63%台から1.61%近辺へと低下。また、原油高が豪ドルなど資源国通貨を押し上げたこともドル売り圧力に寄与した。豪ドル/ドルは0.7761レベルまで高値を伸ばした。しかし、その後は特段の材料もなく、ドル高方向へと押し戻されている。このあとのNY市場で、小売売上高やNY連銀製造業景気指数、新規失業保険申請件数、鉱工業生産など一連の米経済統計の発表を控えており、ドル売りの動きは一服。トルコリラは下落。トルコ中銀が大方の予想通り政策金利を据え置くと、一時リラ買いの反応が広がったが、声明で一段の引き締めに関する文言が削除されたことで売りが強まっている。大統領の発言に忖度したとの思惑も。

 NY市場は、ドル相場の上値が重かった。この日発表の3月米小売売上高は予想を大きく上回る強い内容だった。バイデン大統領の追加経済対策に伴う1400ドルの直接給付や、2月の寒波からの回復、そして、広範な経済再開が個人消費を活発化させた模様。しかし、市場は素直な反応を示していない。為替市場はドル買いの反応はなく、米国債利回りは逆に下げ幅を拡大した。ドル円は一時108.60近辺まで下落。ユーロドルは1.1960近辺と伸び悩んだが、引き続き大きな心理的水準1.20をうかがう展開は維持。米国債利回りの上昇が落ち着いている。欧州債利回りは米国債ほどの低下が見られず、利回り格差に縮小傾向が見られている。ポンドドルは1.37台後半での上下動に終始。ポンド円はここ数日と同様に150円台に乗せると上値が重くなっている。今後は周回遅れとなっていた欧州でのワクチン展開が英国に追いついてくることが予想される中で、先行していた英国の優位性が薄れてくるとの見方がでていた。EU離脱に伴う実体経済への影響や、来月のスコットランド議会選挙など、もともとある英経済へのリスクに市場はより神経質になりつつある面も。

(16日)
 東京市場は、ドル円に買いが入った。朝方につけた108.61レベルを安値に、仲値前後で一気に買われ108.94レベルに高値を伸ばした。ただ、109円台には届かず、その後は108円台後半で揉み合いに。ユーロドルは朝方の1.1795レベルを高値に1.1950レベルまで下押しされ、その後は1.1970台まで一時反発。下に往って来いとなった。午前に発表された第1四半期中国GDPは前期比+0.6%、前年比+18.3%と成長が続いたが、事前予想ほどは伸びなかった。午後に入ってから上海・香港株が上げ幅を拡大しており、高成長水準が好感されたようだ。

 ロンドン市場は、ドル売りに転じる動き。東京市場でのドル高の動きから反転している。ドル円はロンドン朝方に高値を108.97レベルまで伸ばしたが、109円台には届かず。その後は108.70近辺まで反落し、東京午前の上昇を消した。ユーロドルは東京午前の下げをロンドン朝方には解消し、その後は振幅しながらも上昇。足元では1.1995レベルまで上昇し、1.20の節目水準に接近している。ポンドドルは序盤は売りが強まり、1.3717レベルまで下落。その後は下げを戻すとさらに上伸、1.38ちょうど付近に高値を伸ばしている。欧州株が堅調に推移するなかで、クロス円も買いが優勢に。ユーロ円は130.50超えまで一時上昇。ポンド円はやや遅れたタイミングで高値を150.08近辺に更新。ユーロポンドは上に往って来いと方向感に欠けた。全般にリスク選好ムードを維持しているが、為替市場では前日から東京午前にかけての値動きの調整の面も強いようだ。

 NY市場でドル円は108円台後半での狭い範囲での上下動が続いた。今週もドル円は戻り売りが優勢となり108円台まで値を落としている。一時108.60円付近まで下落していたが、いまのところその水準はサポートとなっている模様。ドル円は3月下旬に108円台半ばが強いサポートとなり、その後に3月末にかけて上昇が加速していた。108円台半ばの水準を試すのはまだ、抵抗感があるのかもしれない。

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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