ポンドに2つのリスク EU離脱の影響とスコットランド議会選挙=NY為替
ポンドドルは1.3740ドル近辺で推移しており、1.37ドル台を維持している。朝方発表の米消費者物価指数(CPI)は米インフレの上昇を示唆する強い内容となったものの、為替市場はドル売りの反応を示している。ただ、ポンドは米CPIの発表後に売りが強まり、ポンドドルは一時1.36ドル台に下落する場面がみられた。
特段のポンド売りの材料亜は見当たらないが、ドルとポンドはユーロに対して同方向で動いており、米CPIを受けてユーロに買い戻しが強まったことが、ポンドをドル以上に圧迫した面があったのかもしれない。ただ、本日1.3695ドル付近に来ている100日線はサポートされており、調整売りは続いているものの、底堅さも依然として残している。
ただ、市場の一部からは、ポンドの2つの下値リスクが指摘されている。EU離脱がによる英経済への圧迫とスコットランド議会選挙を挙げている。
特にスコットランド議会選挙については、北アイルランドで英国とEUの間で結ばれた北アイルランド議定書を巡る抗議デモも発生しており、負傷者も出ている。その情勢が5月の議会選挙での独立派の勝利の可能性を高めるという。世論調査ではスタージョン党首率いるスコットランド民族党(SNP)が過半数を獲得する勢いが示されている。同氏は住民投票の実施を公約としており、「スコットランドには独立国としての将来を選択し、EU加盟国としての恩恵を再び取り戻す権利がある」と主張している。もし、選挙後に独立を問う住民投票のリスクが高まるようであれば、ポンドにとっては波乱材料と見ているようだ。
GBP/USD 1.3738 GBP/JPY 149.99 EUR/GBP 0.8690
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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