パウエル証言受けドル円は上値重い動き インフレ自体にあまりタカ派な見方をしていない印象も=NY為替
ドル円は上値の重い動きが見られており、105.10円付近での推移となっている。パウエルFRB議長の議会証言が行われているが、「年内の見通し改善が示唆されている」としたうえで、「目標に向け長い道のり。一段の進展には一定の時間がかかる」との従来の認識を繰り返した。
市場が注目していた長期金利上昇については「成長とインフレの見通しによるもの」と述べるに留まり、特段の認識を示した印象はない。ただ、議長はインフレ自体について、向こう1年程度はベース効果もあり、大きく変動する可能性に言及しているものの、インフレの上昇幅が大きくなったり、それが持続的な上昇を見せるとは見込んでいないようだ。インフレ自体にあまりタカ派な見方をしていない印象もある。
議長の証言を受けて米10年債利回りは下げに転じており、ドル円も上値を抑えられている。ドル円は東京勢が祝日のアジア時間に一時104円台まで下落する場面がみられた。その後は買い戻しが入ったものの、105円台半ばに来ている200日線は回復できていない。再び下げトレンドに戻すのか重要な局面とも思われる中、米株がIT・ハイテク株中心に調整色を強めており、明日以降も警戒感をもって見る必要がありそうだ。
USD/JPY 105.15
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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