リスク回避のドル買い優勢でドル円は104円台に上昇 FOMCへの反応は限定的=NY為替概況
きょうのNY為替市場はドル買いが優勢となり、ドル円は104円台に上昇。きょうの市場は米株式市場でダウ平均が一時700ドル超下落するなどリスク回避の雰囲気が強まった。そのような中で為替市場ではリスク回避のドル買いが優勢となった。一方、円高の動きもあることから、104円台に入ってからのドル円の上げは鈍い。104円台に入ると上値抵抗が強まるとみられていたが、いまのところ、その通りの展開を見せている。
午後にFOMCの結果が発表され、政策は大方の予想通りに据え置きとなった。声明にもほぼ変化がなく、月間1200億ドルの債券購入も維持された。特に予想通りだったこともあり、為替市場の反応は限定的。パウエルFRB議長は会見で資産購入ペース縮小について、「その話は時期尚早で、時期が来た時に段階的に行うだろう」と述べていた。予想通りに慎重姿勢を強調してきた格好。
ユーロドルは一時1.2060ドル付近まで下落するなど戻り売りが強まった。今月の安値は1.2055ドル付近だが、その水準に顔合わせする動き。一部報道で、「市場が利下げの確率を過小評価している」とECB当局者が認識していると伝えていた。
ユーロも敏感に反応していたが、きのう辺りからのECB理事からの発言にユーロ高へのけん制が含まれて来ている。きょうもクノット・オランダ中銀総裁が「インフレを抑制する一段のユーロ高に対処する手段がECBにはある」と追加利下げも視野に入れた言及を行っていた。この動きに市場も神経質になっているようだが、マイナス金利深掘りのシナリオを描く市場関係者はまだ少数派だ。
ポンドドルはNY時間に入って戻り売りに押され、1.36ドル台に下落。ただ、ポンドドルは上昇トレンドが続いており、本日は1.37ドル台半ばまで上昇する場面も見られた。対ドルでは2018年4月以来の最高値更新しているほか、対ユーロでも8カ月ぶりの高値水準まで上昇している。
英国のワクチン接種率が比較的高く、死亡者は10万人を超えているが、既に680万人以上が1回目の予防接種を受けている。そのような中、英経済は早期に再開できるとの期待が高まっているようだ。第1四半期は厳しいが、それはすでに織り込み済みで、第2四半期はより好位置にある可能性があるとの指摘も聞かれる。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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