【これからの見通し】明日の米FOMC待ち、足元は調整ムードに
【これからの見通し】明日の米FOMC待ち、足元は調整ムードに
今日明日と開催される米FOMCを控えて、週初は調整気味の相場展開となっている。米FOMCでは新型コロナの影響を鑑みて、長期的な低金利政策の継続が強調される見込み。ただ、市場はこの点については十分に織り込んでいるものとみられる。FRB議長経験者であるイエレン財務長官との政策協調について期待されよう。
昨日は中国の習近平国家主席が世界経済フォーラム「ダボスアジェンダ」で演説を行った。バイデン政権の対中国の動きをけん制するように国際的な政策協調を前面に押し出していた。新冷戦の事態を回避したいとの意図がみえていた。新型コロナ対応で先んじたほか、昨年の成長率が主要国では唯一のプラスとなったことなど、中国の優位性が高まっており、米国の巻き返し策が今後の注目材料となる。スムーズかつスピーディーに対応策を打ち出せるのか、バイデン政権の対議会戦略が試されるところだ。
昨日の米株式市場はまちまち。ダウ平均は小幅安、ナスダック指数は続伸、S&P500も取引き後半にかけてはプラス圏を回復した。ただ、欧州株は全般に下落しており、調整圧力が強かった。きょうの東京・アジア株も売りに押されている。
そのような中で為替市場は神経質に方向性が変化している。足元では円高とドル高の動きが優勢となっており、リスク警戒の動きになっている。原油先物の上昇の動きにも調整が入る場面が多くなってきている。
この後のロンドン市場でも欧州株動向などをにらんだ動きとなりそうだ。イタリアではコンテ政権が辞任から連立政権の組み直しを企図しており、イタリア債動向が不安定になっている。このあたりも欧州株安に影響していそうだ。
経済指標の発表予定は、英ILO雇用統計(9-11月期)、英失業率(12月)、香港貿易収支(12月)、ハンガリー中銀政策金利、米S&Pケースシラー住宅価格(11月)、米コンファレンスボード消費者信頼感指数(1月)など。英ILO雇用統計では失業率の悪化が予想されており、ポンド相場を圧迫する可能性がある。
発言イベント関連では、世界経済フォーラム「ダボスアジェンダ」が29日まで開催される。イエレン氏が米財務長官として宣誓を行う。センテノ・ポルトガル中銀総裁、デコス・スペイン中銀総裁などが討論会に参加する。IMF世界経済見通しの改定版が公表される。米5年債入札(610億ドル)が実施される。マイクロソフト、AMD、ベライゾン、J&Jなど米主要企業決算が発表される。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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