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とれんど捕物帳 ドル円上昇の持続性には懐疑的

為替 

 年初はドル安が先行し、ドル円も102円台に下落していたものの、米ジョージア州での連邦議会上院2議席の決選投票を機に一時104円台までに戻す展開がみられた。決選投票は米民主党が予想以上に健闘し、2議席を獲得。これで米上院の議席は共和党が50、民主党が50となっている。本会議で採決が二分した場合、ハリス次期副大統領が上院議長として決定票を投じることを考慮すれば、民主党に有利な情勢となっている。下院は民主党が過半数を占めていることから、ホワイトハウスも議会も民主党という「ブルー・スウィープ」となっている。

 富裕層への増税や財政拡大策、インフラ投資拡大などバイデン次期政権および、民主党が押し進めようとしている政策が実現に近づく可能性が出ている。為替市場のシナリオは様々あるようだが、財政赤字拡大とインフレ期待の高まりからドル安シナリオを見込む声が多い。インフレ期待が高まれば、通常はドル高の反応を見せるのだが、それはFRBの利上げ期待が高まるからだ。しかし、FRBは低金利継続姿勢を強くコミットしており、利上げは当面ないと考えられている。むしろ、FRBは長期金利上昇を抑制してくる動きに出る可能性もあり、今週の動きでドル安トレンドに変化が出たと見るのは早計であろう。

 現状は、市場が勝手にインフレを期待しているだけで、実際に米消費者物価が上昇するかは数字を確認する必要があるだろう。感染拡大はなお収束を見せておらず、行動制限も再導入されていることから、当面、インフレは期待しづらい。

 今週のドル円の上げについては、本邦機関投資家の買いが断続的に入ったのではとの観測も聞かれた。「ブルー・スウィープ」への期待で、米10年債利回りが急伸しており、節目の1%を突破した。FRBのゼロ金利政策で、ドルと円の金利差が縮小しており、ドル円のヘッジコストは低水準で推移している。その環境下で、1%超の米10年債利回りは、本邦機関投資家にとっては魅力的なのであろう。

 ただ、上記の通りにドル安トレンドは根強く残ることが予想され、ドル円上昇の持続性については懐疑的に見ている。現段階では一時的な自律反発の範囲を抜けず、深追いは禁物と思われる。

 来週のドル円の想定レンジだが、103.00円~105.00円を想定。スタンスは「やや弱気」を継続する。

()は前週
◆ドル円(USD/JPY) 
中期 下げトレンド継続
短期 ↓↓(→)

◆ユーロ円(EUR/JPY)
中期 中立継続
短期 ↑↑(↑↑)

◆ポンド円(GBP/JPY)
中期 上げトレンド継続
短期 ↑↑(↑↑)

◆豪ドル円(AUD/JPY)
中期 上げトレンド継続
短期 ↑↑(↑↑)

◆ユーロドル(EUR/USD)
中期 中立から上へトレンド変化
短期 ↑↑(↑)

◆ポンドドル(GBP/USD)
中期 上げトレンド継続
短期 ↑↑↑(↑↑↑)

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次回の配信は1月23日(土)の午前を予定しています。
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MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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