ポンド主導でリスク選好のドル売り広がる＝ロンドン為替概況

ポンド主導でリスク選好のドル売り広がる＝ロンドン為替概況

　ロンドン市場では、リスク選好のドル売りが広がっている。ポンドドルがロンドン時間も一段高となっており、1.34台乗せとなっている。ポンド円は139円台に乗せている。昨日の英首相とＥＵ委員長との会談で、貿易交渉を継続することで合意されており、市場では決裂されかなったことが好感されている。バルニエＥＵ首席交渉官は、依然として未解決な問題はあるが、合意への狭い道が残されているとしており、今週中の合意に向けて含みを持たせている。週明けの欧州株式市場は堅調にスタート、米株先物も時間外取引でプラス圏で推移。金先物は下落しており、安全資産買いが後退している状況。ポンドドルの上昇がリスク選好のドル安にもつながっており、ユーロドルは1.21台後半へ、豪ドル/ドルは0.75台後半へと高値を伸ばしている。ドル円は104円挟みの取引から103円台後半へと下押しされている。菅首相が、２８日から１月１１日までＧＯＴＯを全国を対象に一時停止すると表明したが、市場は反応薄だった。

　ドル円は103円台後半での取引。東京市場では104円を挟んだ狭いレンジでの売買に終始した。ロンドン時間に入ると104円台割れから下押しの流れになっている。ポンドドルの上伸がドル売り圧力につながった。このところサポートされていた103.80レベルを下回ると、安値を103.70レベルまで広げている。

　ユーロドルは1.21台半ばでの取引。ポンドドルの上昇とともに買いが優勢になっている。1.2140近辺を上抜けると1.2161レベルに高値を更新した。ポンドドル動向をにらみつつ、高値付近で推移している。ユーロ円は一時126.39レベルまで高値を伸ばしたが、その後はドル円の下押しとともに反落。126円近辺へと再び下げて、東京朝方の安値水準にほぼ並んだ。対ポンドではユーロは軟調で、0.9050割れ水準まで軟化した。１０月ユーロ圏鉱工業生産は前月比+2.1％と前回の+0.1％から大幅回復したが、ユーロ相場の反応は目立たなかった。

　ポンドドルは1.34台前半での取引。週明けのオセアニア市場で大きく買われたあと、ロンドン時間にも一段高になっている。高値を1.3437レベルに更新。ポンド円も139円台にしっかりと乗せており、高値を139.36レベルに伸ばした。昨日の英首相とＥＵ委員長との会談で、貿易交渉を継続することで合意されており、市場では決裂されかなったことが好感されている。バルニエＥＵ首席交渉官は、依然として未解決な問題はあるが、合意への狭い道が残されているとしており、今週中の合意に向けて含みを持たせている。

minkabu PRESS編集部 松木秀明