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為替相場まとめ11月30日から12月4日の週

為替 

 30日からの週は、ドル売りが優勢だった。米英などでの新型コロナワクチン開発が進展しており、年内には導入されると発表されている。米政府・議会との追加支援も進展しそうな気配。市場ではリスク選好の動きが広がり、ナスダック指数が最高値を更新するなど株式市場が活況を呈した。為替市場ではリスク選好のドル売り圧力が強まった。特にユーロドルが堅調で、節目水準の1.20を上抜けると1.21台後半へと上昇。2018年4月以来のドル安・ユーロ高水準となった。ポンドドルは1.35近辺まで買われた。英国とEUとの貿易交渉が継続しており、なかなか溝は埋まらないものの市場では合意期待がまさっていた。ドル円はリスク選好の円売りを交えながら振れたが、104円台後半からは売りが強まり、103円台へと押し下げられた。豪ドルにとっては豪中の政治摩擦が懸念されるが、中国経済の回復や原油高もあってリスク選好のドル売りや円売り、豪ドル買いが優勢だった。全般に好ムードの12月相場スタートとなっている。


(30日)
 東京市場は、ドル安傾向が継続した。週明け東京市場は前週末のドル安の動きを受けて午前中に103.83近辺まで下落。前週末安値を更新した。ユーロドルも前週末高値を上回り、1.1970台へと上値を伸ばした。米国での感染拡大が止まらないことで米株先物が下落、午前中は買いが優勢だった日経平均もマイナスに転じた。午後はリスク選好のドル売りに一服感も、戻りは鈍くドル売り傾向が根強かった。ポンドドルは底堅い動き。1.33台前半でのじり高。英保健・医療当局がファイザーによる新型コロナウイルス向けワクチンを緊急承認し、世界に先駆けて早ければ7日からワクチンの摂取が英国で開始されると英紙が報じた。ただ、ポンド円はドル円の上値が重いことで上昇は限定的だった。

 ロンドン市場では、円安・ドル安が先行。ドル円はロンドン序盤には高値を104.35レベルまで伸ばす動き。しかし、その後はドル安圧力に押されて104円割れへと再び押し戻されている。ユーロドルはじり高の動きで1.1990付近へと上昇、心理的水準1.20に接近してきている。ユーロ円は124円台前半から125円手前まで買われたあとは、上昇一服。ラガルドECB総裁のウェブ講演では低金利の相当な期間の継続、財政政策の必要性などが強調されたが、12月理事会での追加緩和について具体的な言及はなかった。ポンドドルは振幅。1.33台後半へと高値を伸ばしたあとは1.33近辺まで反落。コベニー・アイルランド外相が「漁業権で合意できなかった場合、すべてが後戻りすることに」と発言したことが売りを誘ったようだ。ただ、その後は再び1.33台半ばへと買い戻されており、ドル安圧力も根強い。欧州株は売り先行も、次第に下げを消している。米株先物はマイナス圏推移となっているが、ナスダック先物はプラスに転じるなど比較堅調。

 NY市場は、月末のポジション調整で振幅。ドル円はNY時間に入って下げ渋り104.40付近まで上昇。東京、ロンドンと103円台に下落したがロンドンフィキシングにかけて買いが強まった。ドル売り一服とともにクロス円を含めた円安の面も。米株は大幅安となり、円安を誘発する状況ではなかったが、月末でポジション調整が活発にでていたもよう。足元は感染拡大が続いており、米感染研のファウチ所長は「米国はパンデミックの厳しい時期に向かっている。移動への勧告が必要になるだろう」と述べていた。また、カリフォルニア州ロサンゼルス郡は感染が急増したため、再度、外出禁止令を課しており、目先の米景気への影響は警戒される。ユーロドルは序盤に買いが強まり一時1.20台に上昇。しかし、フィキシング通過後は一気に下落、1.19台前半へと押し戻された。ポンドドルは1.34台手前で上値を抑えられ、上昇一服。ただ、下押しも限定的。英・EUの貿易交渉で最大の対立点となっている漁業権について、EUが英国に対して英水域を巡る同国の主権を正式に認める方向で行き詰まりが近く打開される可能性があるとの報道も伝わっていた。

(1日)
 東京市場は、調整の動き。ドル円は昼過ぎに104.46近辺まで上昇。ドル買い戻しの流れが優勢だったが、104円台半ばからは買いには慎重姿勢がみられた。ユーロドルは前日の下落のあと、東京午前には1.1950台まで買い戻された。ただ、1.20超えを前日に果たしたことで買いには一服感もあり、1.19台後半では上値を抑えられている。ユーロ円は124.90台まで上昇も、125円の大台手前では上値を抑えられている。豪中銀金融政策理事会は、前回会合で利下げおよび量的緩和の拡充を決めたこともあり、事前の見通し通りの現状維持だった。声明では今後の追加緩和の可能性が示されたが、市場は想定済み。豪ドルは目立った反応をみせず。

 ロンドン市場では、株高を受けてドル売り先行も、その後は続かず。序盤はポンド買いが主導、ポンドドルが1.33台後半から一時1.34台に乗せ、ポンド円も139台後半へと上昇。新型コロナワクチンの開発が進展しており、米英などで年内の供給が開始することが期待された。また、ポンドにとっては今週中に貿易交渉が合意に至るとの期待もあったようだ。しかし、欧州株や米株先物が上げ幅を拡大するも、ドル売り続かず。ポンドドルは1.33台前半、ポンド円は139円台前半へと押し戻された。ユーロドルは1.19台後半で買いが先行も、上値も重く揉み合いに。ユーロ円は124円台後半でじり高も125円台には届かず。ドル円は序盤に104.20割れまで下押しされたが、その後は104.40近辺はと買い戻された。ユーロ圏や英国の製造業PMI確報値はいずれも速報値からは上方改定された。独雇用統計では失業者数が予想外に減少、失業率も低下した。ただ、指標に対する反応はあまりみられなかった。ドル安の流れには目立った変化はみられず、きょうは売買が交錯している印象。

 NY市場は、リスク選好のドル安・円安。新規感染者は世界各国で過去最多を記録し、感染拡大が続いているものの、市場はワクチン開発への期待を高めている。きょうはファイザーと独ビオンテックが欧州に承認を申請した。感染拡大から短期的な景気への不安感は高まっているものの、市場は来年の景気について楽観的になっているようだ。米株が上昇し、米国債利回りも上昇。ドル円は前日と同様に買い戻しが優勢で、一時104.55近辺まで上昇。ユーロドルは買いが強まり1.20台を回復。スポットを巻き込んで1.20台半ばへと上昇。今回はレベルシフトを予感させる動きに。ポンドドルは1.34台前半に上昇。タイムズの記者がツイッターで、双方がトンネルと呼ぶ集中交渉期間に入ったと伝えていた。アイルランドのマーチン首相は週末にも合意する可能性があるとメディアで述べていたが、市場も合意への期待を高めているようだ。また、この日はムニューシン米財務長官とパウエルFRB議長の上院銀行委員会での議会証言が行われ、パウエル議長は短期的な米経済へのリスクとFRBの力強いサポートを強調していた。ただ、目新しい内容もなく、今月のFOMCのヒントもなかったことから、反応は限定的。

(2日)
 東京市場は、比較的落ち着いた展開。ドル円は104円台前半での揉み合いが続いた。海外市場で104.50台から104.30台に小戻ししたあと、朝方は104.23近辺まで一段の下押し。しかし、下げはここまでで、揉み合いに落ち着いた。前日に急伸したユーロドルは騰勢を維持。1.19台後半で揉み合うなかで、午後には高値を1.2083近辺に伸ばした。ユーロ円も堅調で朝方には125.80付近へ下押しも、その後は126円台乗せ。小幅ではあるが、ユーロは高値を伸ばしている。

 ロンドン市場では、ポンドが急落。序盤はポンド買いが優勢。ユーロドルに連れ高となったほか、 英政府が新型コロナウイルス向けワクチンの使用を承認し、来週にも接種開始と報じられたことがポンドの買いを誘い、ポンドドルは1.3440台、ポンド円は140.40近辺まで買われた。しかし、EUのバルニエ主席交渉官が英国との自由貿易協定をめぐる協議について「合意がない形で英国がEUを離脱するハードブレグジットの可能性に言及した」との報道がポンド売りを誘った。対ドルで1.3340割れと100ポイント下落、対円は139.30台まで急落した。ユーロドルは序盤に買われ、一時1.2088レベルと2018年4月末以来の高値水準となった。その後はポンドドルの急落もあって1.2040台まで反落した。ドル円は104.40台に軟化したあと、104.70台まで買われる動き。総じてドル安に調整が入る格好となった。

 NY市場では、ドル売りが優勢に。ドル円はNY朝方に104.75近辺まで買われたが、その後は104.40台まで反落。ただ、21日線のサポート水準は維持されている。為替市場では根強いドル安期待が続いているが、米国債利回り上昇、米株の堅調推移などがドル円の下支えとなっていた。市場は、先月の米大統領選で一旦交渉が頓挫していた米追加経済対策への期待を再び高めている。米上下両院の超党派グループが9080億ドル規模の経済対策案を公表した。対立はあるものの米政府と議会民主党がひとまず協議を再開したことが好感されている。ユーロドルは1.21台乗せへと一段高。市場の上値期待は強い。来年にかけ1.20ドル~1.25ドルのレンジ上限付近まで上昇する可能性も指摘されている。欧州は感染拡大が急速に落ち着いて、それと伴にユーロ圏経済も回復して行くと見ているようだ。ポンドドルはNY時間に入って1.33台に下げ渋ったものの、一時1.32ドル台まで急落。きょうはバルニエEU首席交渉官が、EU加盟各国の大使との非公開の会合で、合意を妨げている3つの主要な争点は依然未解決だと述べたことが伝わった。

(3日)
 東京市場は、ユーロドル主導でのドル安の動き。ドル円は104円台半ばでの揉み合いが続いた。ドル安の流れが継続するなかで、新型コロナウイルス向けワクチンの早期接種開始見込みというポジティブな材料がドル売りの背景となっている。しかし、ドル円にとってはリスク選好の円売りの面もあり、一方向には動きにくい展開。一方、ユーロドルはドル安に素直な動き。前日海外市場で1.21台に上昇したあと、1.21台を維持している。東京昼頃には1.2125近辺まで高値を伸ばした。ドル指数は2018年4月以来の低水準に。ユーロ円もしっかり。朝方の下押しは126.50割れまで。昼頃には126.65付近に上昇。底堅い動き。ポンドドルは1.3380台へと反発。前日の下げの半値程度を戻した。ポンド円は139.80近辺へと下げ渋り。ポンドにとっては昨日EUのバルニエ首席交渉官が合意なきブレグジットの可能性に言及したことが売りを誘っていた。

 ロンドン市場では、ユーロドルが一段高に。ただ、買い一巡後は調整が入った。序盤に1.2139レベルまで買一段と上昇。その後は1.21付近まで押し戻されたが、大台は維持している。ユーロ円は126円台半ばからドル円とともに下げ、126.20近辺に安値を広げた。ドル円は104.50付近が重くなり、104.23近辺まで軟化。欧州株が売りに押されており、米株先物の時間外取引でもダウやS&Pが小安い。全般に調整ムードとなっている。そのなかで、ポンドは比較的堅調。ユーロポンドが下げており、前日の売りに調整が入っている。ポンドドルは1.34台を回復、ポンド円は揉み合いながらも140円手前へと上昇。報道によると英国とEUの交渉担当者はここ一両日中に進展具合を総括する見込み。予断を許さない状況とあってポンドは神経質に方向性を変化させている。この日発表されたユーロ圏と英国の非製造業PMI確報値は、いずれも速報値から上方改定された。ワクチン導入期待などが反映された面もありそうだ。

 NY市場は、ドル売りが優勢。市場はリスク選好ムード。米国では足元の感染拡大が続いているが、市場は来年の景気回復への期待を高めているようだ。ワクチンや米追加経済対策への期待が引き続き市場のモメンタムをサポートしている。一方で、当面は利上げにつながる公算は小さく、FRBのゼロ金利は当面維持されると見られている。それがドル安の大きな背景となっているとの指摘も。ドル円は104円台割れから103.70近辺まで下落した。きょうもユーロドルは買いが加速し、一時1.2175近辺まで上昇した。来週10日には年内最後のECB理事会が開催される。市場は追加緩和を見込んでおり、ユーロ売りに過敏に反応する地合いとはなっていないようだ。ポンドドルも買いが強まり、一時1.35ちょうど近辺まで上昇。しかし、後半には1.34台半ばへと伸び悩んだ。英BBCが関係者の話として、英・EU貿易交渉が午後に悪化したと伝えた。EU側が新たな要素を協議に持ち込んだという。数日以内の合意はまだ可能だが、期待は後退しているという。

(4日)
 東京市場では、米雇用統計を控えて様子見ムード。ドル円は朝方に103.74近辺まで軟化したが、前日NY安値には届かず。その後はやや買い戻されて104円付近へと上昇。ただ、大台付近では売りが控えていた。ユーロドルは1.2150前後でのレンジ取引に終始した。1.2139から1.2154までの値動き。ユーロ円は126.04近辺に軟化したあとは買い戻しが入り、126.30付近に小反発。日経平均は小幅安での揉み合いが続いたが、午後にはやや下げ渋っている。

 ロンドン市場では、ユーロ相場が引き続き堅調。米雇用統計の発表を控えて様子見ムードもあるなかで、欧州株や米株先物が底堅く推移しており、リスク選好の動きが続いている。為替相場ではユーロ買いが目立っている。ドル安・円安の流れに乗って、ユーロドルは1.21台後半へと再び上昇、前日高値を更新。ユーロ円は126円台前半から後半へと買われている。一方で、ポンドは神経質に上下動。やや売りが先行したあと、EU関係者が貿易交渉の合意が迫っていると述べたことが伝わると一気に買われた。しかし、買いも続かずレンジ取引になっている。サンダース英中銀委員は利下げとQE拡大の組み合わせが最善の刺激策だとしており、利下げは緩やかにとしながらもQE拡大余地は依然あると述べた。ポンドドルは1.34台前半から後半で、ポンド円は139円台半ばから140円台前半で激しく往来している。ドル円は比較的穏やかな値動きで、103円台後半から一時104円台乗せへとじり高の動きになっている。

 NY市場はドルが買い戻され、ドル円は再び104円台に浮上した。朝方発表になった米雇用統計をきっかけに米国債利回りが急上昇し、ドル円の買いに繋がったものと見られる。ドル円は一時104.25付近まで上昇。21日線が控える104.40付近が目先の上値メドとして意識されそうだが、ドル安期待は依然として根強く、21日線にかけての上値抵抗も強そうだ。21日線を突破できるか、それとも、103円台に再び下落するか注目の展開が見られている。

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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